韓国で3名の感染者が発生した中東呼吸器症候群(MERS)が、狭い空間で強力な伝染力を発揮している。(写真は参考写真であり記事とは直接関係ありませんん。 / 提供:news1)
韓国で3名の感染者が発生した中東呼吸器症候群(MERS)が、狭い空間で強力な伝染力を発揮している。(写真は参考写真であり記事とは直接関係ありませんん。 / 提供:news1)
韓国で3名の感染者が発生した中東呼吸器症候群(MERS)が、狭い空間で強力な伝染力を発揮している。

 MERSの感染病再生産指数は、感染患者1名が0.6名に伝染させるとされている。はしか患者1名が12名に伝染させることを考えると、非常に低い数値と言える。

 ところがMERSの最初の患者は、症状が出た後2つ目に訪れたB総合病院の2人部屋で他の3名と共にいた。このうち2名が新たに感染したと見られている。新たに感染した2名は、最初の患者に付き添っていた妻と隣の病床にいた76歳男性である。

 3人目となる70代男性は今月16日、最初の患者と2人部屋で5時間いて感染した。

 当時、MERS感染を認知できていなかった特殊な状況であることを考慮しても、これまで知られてきた感染病再生産指数をはるかに超える勢いである。

 70代の男性患者に付き添っていた娘の40代女性も保健所のモニタリングでは何の異常もなかったが、発熱症状を訴えており、感染のおそれがないとは言えない状況である。

 もしもこの女性も感染したとなると、感染病再生産指数はさらに高まる。

 70代男性は、空気ではなく唾液のような粒子の大きな「飛沫伝播」または2m以内で1時間以上接触した「密接接触」が感染原因だと推定されている。

 江南(カンナム)聖心病院のイ・ジェガプ感染内科教授は「MERSは密接接触者を対象に疫学調査に入るのが普通で、伝播速度は速くない」としながらも「ただ継続的に感染者が出ないように検疫活動を強化する措置が必要だ」と強調した。

 続けて「中東地域から入国した人が発熱の症状などの疑いがある場合は、近隣の保健所に連絡するよう広報活動を展開しなければならない」とした。

 WHO(世界保健機構)によると、SARSの場合2003年3月17日に167名だった感染者が、4月28日には5050名へと爆発的な増加を見せた。

 SARSは大気中を舞う固体・液体の微細な粒子によって感染し、伝播速度がとても速かった。

 一方、MERSは「飛沫伝播」または「密接接触」が主な感染経路だと言われている。MERS患者が都心を歩き回り多くの人に意図的に会わない限り、感染を最小限に抑えられる。

 保健当局は、MERS患者3名を国指定の病院に入院させ、密接接触者に分類された61名は自宅に隔離するよう措置をとった。

 現在では61名に関しては感染の可能性は低いが、症状が出た場合、管理体系に対する新たな対策が要求されると見られる。

 疾病管理本部は、感染病管理体系を計4段階中2番目になる「注意段階」を維持している。万が一、さらなる感染者が出た場合、さらに1段階上げて「警戒段階」にする可能性が高まる。


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