【ソウル聯合ニュース】中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加するかどうかをめぐり、韓国政府が苦悩を深めている。 AIIBはアジアの開発途上国のインフラ整備に資金などを支援する国際金融機関。AIIBへの参加問題は、北朝鮮の核・ミサイル脅威への対抗手段であり、中国が懸念を強めている米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備問題とも関係しており、韓国は米国と中国の間で苦しい立場に立たされている。 経済専門家らは、AIIBに参加するかどうかは経済面での実益を考慮し、慎重かつ戦略的に決定すべきだと指摘している。韓国政府は、国益を勘案して今月中に参加の是非を決める方針だ。 韓国が参加すれば、中国との経済協力を一段と深めることができる。また、AIIBが支援するアジアの途上国のインフラ整備事業にも主導的に参加することが可能だ。 既存の世界銀行やアジア開発銀行(ADB)を主導してきた米国は、中国の影響力拡大などを懸念し、AIIBへの参加に否定的な姿勢を見せている。一部の経済専門家は、中国が韓国の最大の輸出市場であること、北朝鮮をめぐる問題を解決する上で中国の影響力を無視できないことなどを挙げ、米国に韓国の参加を認めさせるべきだと指摘している。 英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は17日、英国に続きフランス、ドイツ、イタリアがAIIBに参加すると報じた。また、米国国内でもAIIBへの参加を促す声が出ており、米国を説得するための条件は良くなりつつある。 だが、参加によるデメリットもある。最も懸念されるのは、やはり米国との関係悪化だ。米国は中国のAIIB設立を、自国が主導してきた世界金融秩序に対する「挑戦」と見なしている。 また、中国が最大の出資国となるAIIBで、韓国が主導的な役割を果たせない可能性もある。権限を強めるには多額の出資が必要になる。 韓国がAIIBに参加しなければ米国との関係は保たれるが、逆に中国との関係は悪化しかねず、韓国政府は難しい選択を迫られている。 stomo@yna.co.kr
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