【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は12日、月例の金融通貨委員会を開き、政策金利を年2.00%から過去最低の年1.75%に引き下げることを決めた。利下げは昨年10月以来。 急増する家計(個人)負債など負担は大きいが、デフレの懸念が出るほど勢いが弱い景気回復を後押しするための決定とみられる。 緩和的な通貨政策を取る国が増えたことで「通貨戦争」が世界に広がったことも利下げの背景に挙げられている。 今年に入り、欧州中央銀行(ECB)が量的金融緩和を実施し、中国、インド、デンマーク、ポーランド、インドネシア、オーストラリア、トルコ、カナダ、タイなど多くの国が利下げに踏み切り、結果的に自国の通貨価値を下げた。円安やユーロ安は既に韓国の輸出にも影響を与えている。 今回の利下げが消費や投資心理を刺激し、景気回復に役立つかどうかは断言できない状況だ。 民間シンクタンク、現代経済研究院の李埈協(イ・ジュンヒョプ)経済動向分析室長は「消費と投資の不振は構造的問題に起因する。利下げが実体経済にどれだけ役立つかは疑問だ」との見方を示した。  利下げの効果は疑問視されているが、副作用は具体的だ。昨年実施された2度の利下げと政府の不動産金融規制緩和後に続いている家計負債の急激な増加に拍車が掛かる恐れがある。市中に供給されたお金が消費や投資ではなく不動産市場に集まり、住宅価格や家賃の上昇につながりかねないとの懸念が出ている理由でもある。 今回の利下げ決定は、市場がほぼ予想できなかったほど突然だった。最近、李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁は政策金利が年1%台に引き下げられる可能性を排除しなかったが、事前に十分なシグナルは出さなかった。 昨年の利下げの際と同様、韓国銀行の市場との疎通不足や中央銀行としての独立性をめぐる議論が再燃する可能性もある。急いで利下げを決定したような印象を与えたためだ。 崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副首相兼企画財政部長官は前日、政策金利について直接的な発言は控えたがデフレ懸念を指摘し、市場では利下げを求める発言だったと解釈された。与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表も、世界的な金融緩和の流れの中で韓国経済だけが逆行することはできないとして、政府と通貨当局に対し積極的な対処を求めた。  hjc@yna.co.kr
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