【ソウル聯合ニュース】国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは25日発表した世界の人権状況に関する報告書で、韓国について、朴槿恵(パク・クネ)政権発足後の2年間で国内の人権状況が後退傾向を見せたと指摘した。 報告書は韓国と北朝鮮を含めた世界160カ国の昨年における人権状況をまとめたもの。韓国の人権状況を「後退した」と表現したのは今回が初めてとなる。 報告書は、解散した左派少数野党・統合進歩党所属の国会議員だった李石基(イ・ソクキ)氏や党員らが国家保安法違反で逮捕されたこと、政府が憲法裁判所に同党の解散審判を請求し、憲法裁が解散を決定したことを挙げ、国家保安法の恣意(しい)的な適用に懸念を示した。また、昨年8月までに32人が国家保安法違反で起訴されたとし、「韓国政府が国家保安法を適用して拘禁するケースが増えており、表現の自由が次第に制限されている」と批判した。 集会・デモの自由が侵害されているとも指摘した。昨年4月の旅客船セウォル号沈没事故以降、平和的に集会・デモを行っていた人々が大勢警察に拘束され、南部の慶尚南道・密陽でも送電塔の建設反対デモを行っていた高齢者ら14人が警察の鎮圧で負傷したと説明した。 また、昨年12月現在、少なくとも635人の良心的兵役拒否者が収監されていると伝えたほか、軍部隊内での暴力にも懸念を示した。 一方、北朝鮮については、構造的な人権侵害が今も続いており、国境統制が目に見えて強化されたと伝えた。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が2011年に権力を握って以降、国境越えがさらに困難になり、北朝鮮を脱出する住民が顕著に減ったとしている。 日本については、在日コリアンへの差別やヘイトスピーチ(憎悪表現)などに対する日本政府の取り組みが不十分だと評価した。慰安婦問題についても、政府が責任を否定し十分な補償を拒み続け、韓日間の緊張が高まったと指摘した。 stomo@yna.co.kr
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