李明博前大統領=(聯合ニュース)
李明博前大統領=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の李明博(イ・ミョンバク)前大統領は来月2日に出版される回顧録「大統領の時間」で北朝鮮との折衝に触れ、南北首脳会談を開催し、韓国海軍哨戒艦「天安」撃沈事件について謝罪する見返りとして、北朝鮮がコメ50万トンの支援を求めていたことを明らかにした。 李氏によると、撃沈事件発生から約4カ月後の2010年7月、北朝鮮の求めに応じ、情報機関・国家情報院の高官が訪朝した。 李氏は、南北首脳会談実現のためにはあらかじめ韓国側が提示した原則のほか、北朝鮮が撃沈事件に対し謝罪し、再発防止のための措置を先に取らなければならないことを鮮明にしたと説明。「そうすると、北はコメ50万トンの支援を要求してきた」と明かした。また北朝鮮は「(事件を起こした当事者ではなく)同じ民族として遺憾に思う」との趣旨の立場を表明するとしたが、受け入れなかったという。 李氏は首脳会談の開催に向け、09年末から南北が水面下での調整を始めたが、北朝鮮が大規模な経済的支援を求めてきたため、実現しなかったと説明した。10年8月、金大中(キム・デジュン)大統領の死去を受け、弔問団として韓国に派遣された北朝鮮の金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党統一戦線部長は「南北首脳会談を望む」との金正日(キム・ジョンイル)総書記のメッセージを伝えた。北朝鮮は首脳会談開催の条件として、トウモロコシ10万トンやコメ40万トン、肥料30万トン、アスファルトピッチ(1億ドル相当)、国家開発銀行設立の資本金100億ドルの提供などを要求したという。 このほか、撃沈事件以降、北朝鮮に対する国際的な制裁を強めるため、中国を強く圧迫したことも明らかにした。李氏は10年の20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせて開かれた中国の胡錦濤国家主席との首脳会談で、「国連安全保障理事会の対北制裁措置に積極的に協力してほしい」と呼び掛けた。胡氏が「天安艦問題は中国と韓国の問題ではない」として消極的な姿勢を示すと、「この問題で韓国と中国が気を悪くすることがないよう望む」と、異例とも言える強い口調で迫ったという。 kimchiboxs@yna.co.kr
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