【光州聯合ニュース】韓国旅客船セウォル号の沈没事故で、乗客を救助せずに船を脱出したとして殺人罪などに問われた船長のイ・ジュンソク被告らが、一審判決から約2カ月ぶりに法廷に立った。 イ被告ら同船の乗組員15人と同船の運航会社、清海鎮海運に対する控訴審が20日午後、光州高裁で始まった。 100席余りの傍聴席を埋めた遺族は落ち着いて裁判を見守った。イ被告らは頭を下げ、被告人席に並んで座った。  高裁は検察と被告側双方の控訴理由書をもとに、殺人と殺人未遂については「未必の故意」を否定し無罪とされた一審の判決について、船長による退船命令や指示があったかなど、さらに審理が必要と述べた。 高裁は来月10日に1回目の公判を開き、2週間に1回、5回にわたり公判を行い、4月28日に判決を言い渡すとの計画を発表した。 裁判長の許可を得て発言した同事故の被害者遺族らは乗客に対する殺人罪を認めてほしいと訴えた。 修学旅行中に事故に遭った檀園高校(京畿道安山市)生徒の父親は「乗客に対する殺人罪は故意を立証できないために無罪という一審判決を見て、怒りとくやしさが身にしみた。304人が死んでいく姿を見ても自分たちだけ助かろうと逃走した破廉恥な船長が殺人罪ではないというのは理解できない。まだ明らかになっていない真実を明確にしてほしい」と述べた。 一審では、イ被告は遺棄致死罪などで懲役36年の判決を受け、焦点となった殺人罪については無罪となった。ほかの乗務員は懲役5~30年の判決を受けた。 yugiri@yna.co.kr
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