【ソウル聯合ニュース】欧州連合(EU)に対する韓国の貿易赤字が膨らみ、昨年は100億ドル(約1兆1800億円)を超えた。対EUの貿易収支は韓国・EUの自由貿易協定(FTA)発効翌年、赤字に転落した。主力輸出品の自動車が伸び悩む一方、欧州車の輸入が急増しており、自動車も貿易赤字になる恐れがある。◇昨年の赤字、106億ドル前後の見込み 韓国政府と金融投資業界は12日までに、韓国の昨年1月1日~12月20日の対EU輸出を前年同期比5.5%増の500億3700万ドル、輸入を9.9%増の602億700万ドルと集計した。貿易収支は101億7000万ドルの赤字となる。 韓国関税庁はまだ昨年の輸出入確定値を公表していない。しかし、政府が刊行した最新の経済動向資料は、昨年通年の対EU輸出は517億ドル、輸入は623億ドルで、106億ドル前後の赤字になると見込んだ。 EU向けの輸出は、2012年(11.4%減)と2013年(1.1%減)の連続減から、昨年は増加に転じた。それでも2008年(585億ドル)と2011年(558億ドル)には及ばない。その一方で、輸入は2013年(11.6%増)に続き過去最大を更新する見通しだ。 対EU貿易は1998年から2011年まで連続黒字で、2007年の黒字は193億ドルに上った。しかし、2011年には84億ドルまで縮小し、2012年は9億7000万ドルの赤字に転落した。赤字幅は2013年の73億7000万ドルに続き、2014年も拡大することになる。◇自動車など主力輸出品が不振 韓国の対EU貿易赤字は、マクロ経済としてみると欧州経済の低迷が響いた。債務危機により2012年と2013年はマイナス成長で、昨年はプラスに転じたものの0.8%成長にとどまるとみられる。デフレの懸念も強まっている。 韓国のEU向け輸出をみると、主力品の不振が目立つ。2010年に137億ドルと輸出全体の4分の1を占めていた船舶は、2011年から急減。昨年1~11月は前年同期比12.0%増の60億ドルながら、回復といえる水準ではない。 2番目に輸出の多い自動車は、2006年に92億ドルを記録した後、リーマン・ショック直後の2009年に28億ドルに減少した。その後は60億ドル前後で、昨年1~11月も0.8%減の52億5000万ドルだった。 このほか、スマートフォンをはじめとする無線通信機器の輸出が27億7000万ドルで16.8%減少した。 一方、EUからの輸入は2010年に20.1%のプラスに転じ、2011年が22.5%、2012年が6.2%、2013年が11.6%と増加ペースが続く。 昨年1~11月は、自動車が60億ドルで前年同期比50.4%増加した。原油(34.3%増)や農薬・医薬品(15.5%増)、航空機・部品(77.0%増)も急増した。また、高級ハンドバッグなどのかばん(9.1%増)、化粧品・せっけん・歯磨き粉(13.4%増)、衣類(14.4%増)、酒類(9.2%増)など消費財の輸入増加率は24.9%と、全体の伸びの2倍以上だった。◇FTAのマイナス影響? 昨年の対EUの自動車貿易収支は、1990年以降で初めて赤字に転落する公算が大きい。2006年に75億ドルの黒字を出した後、黒字額は急減し、2009年に10億ドルまで落ち込んだ。持ち直しの兆しもあったが、2012年から再び悪化し、2013年は13億9000万ドルにとどまった。 韓国メーカーの現地生産も増えたが、何より欧州車の韓国販売増によるところが大きい。韓国輸入自動車協会によると、昨年の輸入車販売は前年比25.5%増の19万6359台で、上位1~4位をドイツ車が占めた。 こうした背景に、2011年7月に発効したFTAの影響が挙げられる。当時、韓国の自動車メーカーは最大の恩恵を期待していた。しかし、昨年7月に1500ccを超える車の関税が完全に撤廃されると、欧州からの輸入車の価格競争力はさらに高まった。 mgk1202@yna.co.kr
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