【ソウル聯合ニュース】韓国の民間団体による対北朝鮮非難ビラ散布に対し、北朝鮮や韓国内からも韓国政府が措置を取るよう圧力がかかる中、政府の方針にも微妙な変化が現れている。 北朝鮮は7日、朝鮮中央通信の論評を通じ、韓国政府がビラ散布を黙認したと非難し、南北対話に対する立場を明確にすべきだと促した。 韓国国会の外交統一委員会法案審査小委員会は6日、ビラ散布に対する政府の措置を促す内容の決議案を採択した。同日には、北朝鮮の脅威により国民の生命が明らかに危険な状況では当局がビラ散布を阻止するのは適法だとの裁判所の判断も示された。 一方、韓国政府は「表現の自由に当たるビラ散布を阻止できない」という基本的立場を堅持してきたが、政府がビラ散布を阻止する具体的な行動が変わる可能性も出てきている。  統一部の林丙哲(イム・ビョンチョル)報道官は7日の定例会見で、ビラ散布について、「事前に察知した場合は国民の生命や身体、財産に危険が生じる可能性を減らすため、必要な安全措置を取るよう警察と協力する」との方針を明らかにした。 林報道官は、軍事境界線付近で民間団体メンバーの通行禁止措置を取る可能性があるかとの質問に対し、「必要な場合は可能だ」と答えた。 政府筋は「政府の基本的立場に変化はないが(ビラ散布を阻止する)行動は変わる可能性もある」と述べた。 このため、ビラ散布計画が事前に公開される場合は、以前より積極的に散布を阻止するのではないかとの見方も出ている。 政府内では表現の自由という側面でビラ散布も尊重されるべきだが、この問題で南北関係の進展に支障が生じた場合に代償があまりにも大きいという現実的な悩みも抱えているようだ。 北朝鮮は昨年、ビラ散布を口実に南北高官級協議に応じないなど強く反発したが、今年もこうした姿勢に変化はないとみられる。  hjc@yna.co.kr
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