韓ＡＳＥＡＮ首脳会議が閉幕　ＦＴＡや北朝鮮問題で成果

【釜山聯合ニュース】朴槿恵（パク・クネ）政権発足後、韓国で初めて開催された多国間首脳会議となった韓国と東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）１０カ国による特別首脳会議は１２日、２日間の日程を終えて閉幕した。　朴大統領は同会議を通じ、ＡＳＥＡＮとの戦略的パートナー関係を深化させる一方、巨大市場となるＡＳＥＡＮ共同体発足を来年に控えたＡＳＥＡＮ１０カ国を韓国が重視しているとのメッセージを発信した。　◇戦略的パートナー関係を強化　韓国とＡＳＥＡＮが１９８９年の対話関係樹立から２５周年を迎えたことを記念して開かれた同会議は２００９年に続く２回目の特別首脳会議であり、現政権が韓国で初めて主催した多国間首脳会議となった。　　青瓦台（大統領府）は同会議を通じ、▼「韓・ＡＳＥＡＮ戦略的パートナー関係」の強化および未来指向の関係構築▼ＡＳＥＡＮ加盟国との実質的な協力の強化▼東南アジアに対する第１段階の首脳外交の完了――などの成果を上げたと評価した。　　特に、最終日の１２日に採択された「韓・ＡＳＥＡＮ戦略的パートナー関係の未来ビジョンに関する共同声明」では、政治や安全保障、経済、社会、文化、朝鮮半島や国際問題など全分野にわたり、戦略的パートナー関係を向上させ、実質的な協力を強化するとの内容が含まれた。　政治・安全保障の分野では、ＡＳＥＡＮ主導の地域協議体の協力を強化し、定例の韓国・ＡＳＥＡＮ対話を機に安保対話などを開催するとした。経済分野では２０１５年に韓国・ＡＳＥＡＮ自由貿易協定（ＦＴＡ）の追加自由化を推進するという目標の下、１５年に１５００億ドル（約１７兆７４３０億円）、２０年に２０００億ドルの貿易を達成するとした。　１３年現在、ＡＳＥＡＮは韓国にとって２番目の貿易相手（１３５３億ドル）であり、３番目の投資対象（３８億ドル）となっている。政治・安保面でもＡＳＥＡＮプラス３（韓中日）、東アジアサミット（ＥＡＳ）、ＡＳＥＡＮ地域フォーラム（ＡＲＦ）など、域内の協議の中心として機能している点を考慮すれば、ＡＳＥＡＮとの関係の深化は意味が大きいと青瓦台は説明した。　また、朴大統領は１５年のＡＳＥＡＮ共同体発足を控え、ＡＳＥＡＮ加盟国に対する外交を重視すると強調した。　ＡＳＥＡＮ共同体がスタートすれば、人口６億４０００万人、国内総生産３兆ドルの巨大市場の誕生となるだけに、ＡＳＥＡＮとの実質的な協力の進展は、韓国の成長を強化する基盤になるものとみられる。　青瓦台の朱鉄基（チュ・チョルギ）外交安保首席秘書官は「経済的な潜在力と、経済地政学的な重要性が高まることになるＡＳＥＡＮとの経済的な連帯関係を強化することにより、域内で共存する経済基盤を強化し、世界経済の新しい成長動力としてその役割を向上させることになった」とコメントした。◇ＡＳＥＡＮとのＦＴＡ活性化へ道筋　朴大統領は特別首脳会議を通じ、韓国とＡＳＥＡＮのＦＴＡの活用度を高める道筋を開いた。　韓国とＡＳＥＡＮは０５年にＦＴＡの基本協定、０６年に商品協定、０７年にサービス協定、０９年に投資協定をそれぞれ締結した。ただ、低い自由化率や複雑な原産地基準などにより、韓国企業のＦＴＡ活用率は３８．１%にとどまっている。　このため今会議で自由化率を引き上げられるよう相互主義の制度改善や、原産地証明書の電子化などを通じた域内貿易の円滑化を積極的に訴え、ＡＳＥＡＮ諸国の共感を得た。　また、今会議を機に韓国とベトナムのＦＴＡ交渉が実質的に妥結した。ベトナムは韓国にとって１５番目、朴政権下ではオーストラリア、カナダ、中国、ニュージーランドに続き５番目のＦＴＡ締結国となる。ベトナムとのＦＴＡ交渉妥結により、韓国はＡＳＥＡＮ１０カ国の中で最大の貿易相手国のシンガポールと２位のベトナムとＦＴＡを締結することになり、ＡＳＥＡＮ地域への輸出拡大に一層弾みがつくと期待される。◇北朝鮮の非核化実現へ支持確保　北朝鮮の非核化のほか、韓国政府の朝鮮半島信頼プロセス政策や平和統一構想、北東アジア平和協力構想に対するＡＳＥＡＮ諸国の支持も得た。　共同声明では、▼朝鮮半島の非核化達成に向けた努力を継続▼朝鮮半島情勢および弾道ミサイル発射に対する懸念を表明▼北朝鮮に国際義務と約束の完全な履行を促す▼６カ国協議再開に向け必要な環境づくり▼朝鮮半島信頼プロセス、平和統一構想、北東アジア平和協力構想を歓迎――などの内容が盛り込まれた。　朴大統領は各国首脳との２国間会談でも北朝鮮の非核化実現に向けＡＳＥＡＮが団結して声を上げるよう要請。各国首脳は韓国の北朝鮮政策に支持を表明した。　　朱鉄基外交安保首席秘書官は北朝鮮問題について、「ＡＳＥＡＮ諸国はこの問題に慎重な姿勢を保っているというのが一般的な認識だが、北の非核化に対する国連安全保障理事会決議など国際義務の順守について共通の認識を確認できた」と評価した。yugiri@yna.co.krikasumi@yna.co.kr