【ソウル聯合ニュース】韓国は2009年以来、5年ぶりに東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国との特別首脳会議を11~12日、釜山で開催する。 双方は1989年に対話関係からスタートし、経済交流を中心に大きな関係発展を成し遂げてきた。近年は政治・安全保障分野でも協力を強めている。朝鮮半島問題関係国の米国、中国、ロシア、日本とともに、ASEANが韓国外交の新たな重要パートナーとして位置づけられたとの見方が出ている。◇ASEANは第2の貿易相手 韓国の重要なパートナーとしてASEANが持つ地位は経済分野で目を引く。 韓国とASEANの昨年の貿易規模は1353億ドル(16兆4000億円、輸出820億ドル・輸入533億ドル)となり、ASEANは中国(2289億ドル)に次ぐ韓国の2番目の貿易相手となった。ASEANが韓国の貿易黒字全体に占める割合は65%を占めている。 昨年38億ドルに達した韓国企業の対ASEAN海外直接投資も規模面で中国に次ぐ2位だ。 人的交流も盛んになっている。13年に493万人の韓国人がASEAN諸国を訪れ、ASEANからは155万人が韓国を訪問した。韓国人が最も多く訪れる地域はASEANで、ASEANにとって韓国は中国、日本に次ぐの3番目の訪問国となっている。 結婚や労働、留学などで韓国に滞在しているASEAN出身者は33万2000人(2013年1月末現在)に上る。 双方の活発な経済交流の背景には、人的・物的資源を基に年平均約5%の経済成長を達成しているASEAN諸国の急速な経済発展がある。ASEANにとって韓国は地理的に近い中国や日本と比べ、歴史や領土紛争などへの警戒感が少ないことも理由に挙げられる。韓国とASEANは05年に自由貿易協定(FTA)基本協定、06年にFTA商品協定、07年にFTAサービス協定、09年にFTA投資協定をそれぞれ締結した。 ASEANとの経済交流で注目を集めるのは今後の発展可能性だ。当初の目標通り、15年末にASEAN共同体が発足すると、人口6億人、国内総生産(GDP)2兆4000億ドル規模の巨大な単一市場が誕生する。韓国政府当局者はASEANについて、「5000万人の中間層が5年後は2億人になると予想される。これは中国の半分程度の規模」として、「ASEANは世界経済の新成長エンジン」と述べた。◇政治・安保関係も発展 経済交流には届かないものの、政治・安全保障分野での協力も進んでいる。 韓国と北朝鮮が共に国交を結んでいるASEAN10カ国は過去に非同盟外交を追求し、韓国より北朝鮮と友好的な関係にあった。これは政治・安保分野で韓国とASEANの関係が発展することに障害となった。 だが、韓国との経済交流が進んだほか、核実験や長距離ミサイル発射など北朝鮮の挑発がエスカレートし、朝鮮半島問題に対するASEAN諸国の態度も以前とは変わっているというのが大方の見方だ。実際、北朝鮮の3回目の核実験が行われた昨年に開催されたASEAN地域フォーラム(ARF)議長声明には北朝鮮の主張が反映されなかった。また、北朝鮮が同年4月、平壌駐在の外交官らに退去を勧告した際、ASEANの国がこうした事実を韓国側といち早く共有したという。さらに、一部の国は北朝鮮脱出住民(脱北者)問題で韓国に協力的な姿勢を示しているという。 政治・安保協力の発展は安保対話の開催にもつながっている。10年に「戦略的パートナー関係」を結んだ韓国とASEANは今年6月、次官補級の安保対話を初開催し、朝鮮半島情勢をはじめとする域内の主要安保課題について意見を交換した。 韓国政府は安保対話の定例化を推進するなど、政治・安保協力を強化するために力を入れている。 一部のASEANの国は依然として、北朝鮮との外交関係などを踏まえて政治・外交的な決定を下す場合がある。来年1月に国連安全保障理事会の非常任理事国の任期が始まるマレーシアは北朝鮮の人権問題をめぐる決議案の採決を棄権した。 北東アジアの安保面でASEANが持つ重要性も韓国政府が政治・安保協力関係を深めようとする理由である。 ASEANはアジア地域で唯一、多国間安保協力協議体のARFを主導している。米国のアジア・リバランス(再均衡)政策や中国の「アジアの新しい安全保障観」が事実上、ASEANを狙ったものとの分析があるほど、米中G2(二大国)もASEAN攻略に乗り出している。 kimchiboxs@yna.co.kr
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