SAJO産業の漁船「501オリョン号」沈没の根本的な原因は過度な「スケトウダラの漁獲割当て量」に伴う無理な操業のためという分析が有力視されている。
SAJO産業の漁船「501オリョン号」沈没の根本的な原因は過度な「スケトウダラの漁獲割当て量」に伴う無理な操業のためという分析が有力視されている。
SAJO(思潮)産業の漁船「501オリョン号」沈没の根本的な原因は過度な「スケトウダラの漁獲割当て量」に伴う無理な操業のためという分析が有力視されている。そのため、事故再発を予防するためには、現実的な漁獲割当て量の調整が必要だという指摘があがっている。

 4日、SAJO産業などによると、ロシアの西ベーリング海で操業中だった「501オリョン号」に問題が発生した時刻は、現地時間で午後12時30分(日本時間午前9時30分)ごろ。この日、西ベーリング海には「501オリョン号」以外にも韓国漁船4隻が出航していたが、気象悪化によりカムチャツカ東部海岸に避難した。そんな状況下でも、「501オリョン号」と同会社所属のトロール船「96オヤン号」も残っていた。

 「オリョン号」キム・ゲファン船長は「オヤン号」イ・ヤンウ船長の傍で航海士として5年間船に乗り、イ船長の推薦で「オリョン号」の船長になったほど、“兄弟”として通じる親しい間柄だ。

 イ船長は非難する前、キム船長と無線連絡を通し、「きょうの天気は良くない。我々の船はロシアのナバリン方面に向かう。キム船長も避難するように」と話し、これに対してキム船長は「網を巻き上げて、ついて行く」と応答した。

 しかし、キム船長は午後4時14分(日本時間午後1時14分)、弟セファン氏に携帯電話で電話をかけ、「セウォル号のように船が沈没している。時間がない」という言葉だけを残し、すぐに電話を切った。キム船長はイ船長にも無線で「ヒョン(年上の男性に対して使う言葉)、最後のあいさつをしなければならないようです。わたしはこの船と最後まで行きます」と伝えた。

 漁船はキム船長が弟セファン氏と通話してから約40分後の午後5時(日本時間午後2時)、完全に沈没した。結局、網に入った漁獲物を取り出す過程で、一度に押し寄せた海水の浸水と36年も経っていた古い船舶施設などの複合的要因で沈没したと見られる。

 それならば、キム船長が別の船舶のように素早く避難しなかった理由は何だったのだろうか。

 「オリョン号」の一等航海士ユ氏(47)の妻はこれに関連し、「先月29日の通話で夫が“スケトウダラを大量に獲ったが、追加の漁獲割当て量を受けた。すべて獲ったら大変だ」と言っていた。操業日程は決まっているのに、物量のみが増えたために、無理に出港したのが今回の事故の根本的な理由」と主張した。

 関連業界によると、韓国とロシアは毎年、漁獲協定を通じてベーリング海一帯で獲ることができる割当て量を定める。昨年から漁獲量が急減し、困難を経験してきたという。

 ベーリング海沖のスケトウダラ漁獲量は以前にようにはいかないが、遠洋企業等は確保された割当て量に対し、t当たり350ドルの入漁料を支払わなければならない。このような状況では、無理な操業を強行するしかなく、SAJO産業が追加漁を「オリョン号」に下した可能性が大きいという分析も出ている。

 釜山経済大チャン・チャンイク(海洋生産システム管理学部)教授は「冬季の韓国国内スケトウダラ消費量は相当で、企業収益の側面で割当て量を最大限減少しなければならない」とし、「遠洋漁船が無理に操業する余地は充分だ」と指摘した。

 SAJO産業側は「決まった操業量を満たすことができなければ、翌年の配分が不利になるため、漁獲割当て量を満たそうと努力するのは間違いない」と話した。

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