愛妓峰展望台の塔=(聯合ニュース)
愛妓峰展望台の塔=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国国防部は22日、南北軍事境界線に近い京畿道金浦市の愛妓峰展望台にある塔を撤去したと明らかにした。1971年に建てられた塔は先週撤去されたという。 関係者は撤去の理由について、「各部隊の大型施設物の安全診断を実施した結果、愛妓峰の塔がD級判定を受けた」として、「鉄骨の重みで地盤が緩み、強風などにより倒壊する危険がある」と説明した。 愛妓峰(海抜165メートル)の展望台に43年前に建てられた塔は高さ18メートル。毎年クリスマスを前に、キリスト教団体などによる塔の電飾点灯をめぐり論争が起きていた。 北朝鮮地域からわずか3キロの位置にある塔は電飾を点灯すれば北朝鮮の開城からも見ることができる。このため北朝鮮に対する宣伝施設だとして北朝鮮は撤去を要求してきた。2010年には砲撃すると威嚇したこともある。 塔の電飾点灯は、04年6月の南北将官級軍事会談で軍事境界線地域での宣伝活動を中止することで合意したことから中断された。だが、10年の北朝鮮による韓国海軍哨戒艦撃沈事件と延坪島への砲撃事件を受け、同年12月21日から翌年1月8日まで点灯が許可された。11年は金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去などで中止となったが、12年には12月22日から翌年1月2日まで点灯された。 韓国軍は安全診断の結果に伴う撤去と説明しているが、北朝鮮の高官3人が仁川アジア大会閉会式に合わせて韓国を訪問したことを受け、南北関係を考慮して撤去したのではないかとの観測も出ている。 一部では、国防部は北朝鮮に対し弱腰だとの批判が上がることを懸念して撤去の事実を公開しなかったとの指摘もある。同部関係者は倒壊すれば一般の観光客の安全を損なうと判断したとして、「現在の南北関係の状況とは無関係だ」と強調した。 ikasumi@yna.co.kr
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