李炳銑氏=13日、釜山(聯合ニュース)
李炳銑氏=13日、釜山(聯合ニュース)
【釜山聯合ニュース】誤った韓日関係史を正そうと、高齢にもかかわらず日本の各界に自身の著書や論文を寄贈する事業を続けている韓国人学者がいる。 李炳銑(イ・ビョンソン)釜山大名誉教授(87)は、韓日の歴史を正すには研究や本の執筆だけでは限界があると考える。 そのため、これまで14年にわたり日本の有力政治家や学者、学校、公共図書館、マスコミなどに自著を送る事業を行っている。 李氏は教授職を退いた後、2000年から韓国の地名と日本の地名の関連性を明らかにした著書や独島が韓国領であることを示した論文などを日本に送っている。 費用もかかるこの事業を根気強く続ける理由は、日本人に韓日間の正しい歴史を伝え日本人の反韓・嫌韓感情を取り払い、友好と親善を深めるのに寄与できると判断したためだ。 これまでに李氏は、著書「日本古代地名の研究―日韓古地名の源流と比較」や論文「独島の領有権問題」を日本の国会議員や学者、東京や大阪、島根の生徒数が多い高校などに寄贈してきた。 教え子や知人の助けを借りて2000年に1000冊、05~07年に1000冊、12~13年に3000冊を送った。 開封されることなく1割近くが返送されてくるものの、残りの9割は日本で読まれているものと信じ寄贈事業を続けている。 李氏が韓国と日本の古代地名に関心を持ったきっかけは、日本の植民地時代に晋州師範学校に在学していた時、日本人の歴史教師がかつて朝鮮総督府のような任那日本府が朝鮮半島にあり、日本が朝鮮を支配するのは任那の土地を取り戻すことに過ぎないとして侵略を正当化したことに怒りを覚えたためだ。 また、日本書紀では任那と共に新羅、百済、高句麗が日本に対し朝貢を行っていたとして事実をねじ曲げ朝鮮を卑下しているほか、第2次世界大戦後も日本の教科書に歪曲(わいきょく)されたまま記述されていることが耐えられなかったと説明した。 李氏は自身が専門とする言語学的側面からも日本の歴史学者らのでたらめな主張に反論した。 博士論文「韓国古代地名研究」を基に日本各地を何度も訪れ日本の古代地名を分析した結果、日本書紀に出てくる任那の地名80カ所を対馬の地名から探し出すことに成功した。 日本書紀に出てくる任那や新羅、百済、高句麗は朝鮮半島の地名ではなく、朝鮮半島の影響を受けた対馬にある地名で日本本土でも古代朝鮮の地名が多数用いられたことを突き止め本にまとめた。 これを日本語訳した「任那は対馬にあった:歪められた任那南韓説」や「日本古代地名の研究―日韓古地名の源流と比較」を日本に送った。 日本への寄贈事業は次第に目に見える成果を上げ始めた。 中曽根康弘元首相は、独島領有権問題に対する考察は参考になり興味深く拝読したと返信を寄せた。 また森喜朗元首相は「日本古代地名の研究―日韓古地名の源流と比較」について、興味深い研究結果を読ませていただき感謝するとの内容の手紙を送ってきたという。 李氏は13日、聯合ニュースのインタビューに対し「日本の一部学者はもちろん、韓国の歴史家にも植民地史観から抜け出せない人がいることを残念に思う」と話した。その上で、「今後も韓日関係史を正すことに生涯、情熱を注ぎ続ける」と抱負を語った。 さらに、韓日関係史をきちんと理解するためには漢字や漢文を学ばなければならないと指摘した。漢字が読めれば年間約7万冊出版される日本の本を読むことができ、日本人の考えを知ることができるとしながら、公教育での漢字、漢文教育の必要性を強調した。 sjp@yna.co.kr
Copyright 2014(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0