【ソウル聯合ニュース】韓国南東部、釜山で開かれる国連専門機関、国際電気通信連合(ITU、本部ジュネーブ)の総会(全権委員会議)開幕まであと1か月に迫った。
 10月20日から3週間の日程で行われる総会には、193カ国・地域から閣僚級の政府高官約150人を含む3000人余りの政府代表団が出席。世界のICT(情報通信技術)政策のあり方を議論する。
 特に、ITU設立150周年と国連のミレニアム開発目標(MDGs、2015年までに世界の貧困層の割合を半分に減らすことを目指す)の終了時期が重なり、ITUの方向性や貧困撲滅に向けたICTの役割などを地球規模で議論することになる。
 総会の準備を指揮する韓国未来創造科学部の関係者は、「実質的な成果が導き出せるよう議題の調整に取り組んでいる」と話した。
 ◇総会でのテーマは?
 総会は参加国が多いため議論されるテーマの数も膨大だ。同部は今総会で約70のテーマが話し合われると予想している。
 ICTとインターネットが人々の生活に深く根付いているだけに、総会で議論されるテーマも人のライフスタイルに大きな影響を与えるとみられる。
 総会のテーマはアジア、欧州、アフリカ、米大陸などの地域別準備会議で加盟国の意見を聞き取り設定される。国や地域ごとに関心事が異なるためテーマの調整にも相当な時間と労力が必要だ。
 現段階でテーマになる可能性が高いのは、インターネット公共政策について。インターネットが社会全般に大きく影響していることから、管理・規制の必要性が提起されている。
 今総会ではインターネットの規制が必要か、必要であればどんな規制が求められるのかなどについて詳細な議論が行われる見込みだ。だが、国・地域ごとに立場に違いがあるため激しいやり取りが予想される。
 世界的に気候変動に対する関心が高まっている現実を反映し、ICTが気候変動対応や環境保護にどんな役割を果たせるかも中心テーマになるとみられる。
 これは4年前、メキシコで開かれた総会で新規決議として採択されたテーマで、今総会で詳細な実践計画が話し合われる可能性が高い。
 個人情報の流出などを受け、情報セキュリティーの重要性が高まっているだけにサイバーセキュリティーも重要な問題になっている。今総会の議論では、ITUがサイバーセキュリティーにどんな役割を果たせるかに関心が集まる。
 発展途上国はITUの権限強化を主張する一方で、先進国はこれに消極的な立場を取っているため議論の行方が注目される。
 また、▼オンラインからの児童保護▼情報格差解消と発展途上国支援問題▼男女平等のためのICTの役割▼障害者のICT活用――なども総会のテーマとして取り上げられる見込みだ。
 前回の総会では新規23件、改定43件、廃止15件、計81件の決議が採択された。
 ◇韓国主導の提案も
 今総会で最も注目されるテーマは韓国が主導して提案した「ICTとほかの産業との融合」と、あらゆるものをインターネットにつなぐ「モノのインターネット(IoT)の促進」だ。
 韓国が総会で特定のテーマを主導するのは1952年にITUに加盟してから初めてとなる。「IT強国」としての韓国の地位と発言権がそれだけ高まった証拠と言える。
 ICTの融合は、ICT応用技術をほかの産業に適用し工程の効率性を高め、雇用創出につなげようとする創造経済の概念をグローバル共同成長モデルにしようというもの。
 また、IoTの促進は未来の超連結社会の中核要素であるIoTに対する認識を新たにし、人類共同繁栄のためITUの役割を強化することが主な目標だ。
 この二つのテーマは先月、タイ・バンコクで開かれたITU総会のためのアジア太平洋地域最終準備会議で域内加盟国の圧倒的な支持で、共同議決され総会での決議採択の可能性を高めた。
 IoT関連事案がITUレベルでテーマに提案されたのは今回が初めてで、最終決議された場合、韓国のIoT産業の世界進出を加速させるものと期待される。
 韓国人初となるITU標準化総局長選出と、韓国の7回目の理事国進出にも関心が集まる。
 ITU標準化総局長は移動通信・IPテレビなどICTの国際標準について最終決定権限を持ち、現在、韓国科学技術院(KAIST)のIT融合研究所研究委員、李ジェソプ氏が立候補を表明している。
 李氏がITU高官職に就任した場合、韓国の技術・産業が世界をリードするのに寄与すると期待される。
 ◇総会の成功に向け準備は万全
 今総会は世界最高と言われる韓国のICT産業を全世界に披露する機会になる。
 同部は総会に最先端のICTインフラを構築し、参加者らに便宜を図る予定だ。
 超高速有・無線ネットワークを活用し、紙を使わない会議を実現する。会議はもちろん宿泊や交通、観光関連情報を提供するモバイルアプリケーションを供給する計画だ。
 さらに、総会の会場となる展示コンベンションセンター・BEXCO周辺では国内技術と装備を適用したギガインターネット(1Gbps)、4K放送、近距離無線通信(NFC)などを試験サービスする。
 世界的にセキュリティー問題が注目されていることを踏まえ、総会の安全な開催も目指す。
 産業通商資源部は参加者の安全を確保するためジュネーブ本部の保安・安全チームと業務協議を続けており、釜山市や警察庁、消防安全本部など関連機関が参加する安全システムを設置した。
 併せて迅速な応急医療サービスを提供するため釜山市内の主要医療機関を公式病院に指定し協調体制を強化した。
 また、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱ウイルスの対応策をまとめた。
 閔元基(ミン・ウォンギ)ITU総会議長は、「今総会が、韓国IT産業が再飛躍する土台となり、開催地の釜山が国際的な会議都市として知名度を高めるきっかけになることを望む」と話した。

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