【ソウル聯合ニュース】韓国の経済史学者、安秉直(アン・ビョンジク)ソウル大名誉教授(78)は15日、旧日本軍の慰安婦問題と関連して「週刊文春」に掲載されたインタビュー記事が歪曲(わいきょく)・ねつ造されたとして、法的対応を取る考えを明らかにした。
 安氏によると、週刊文春は4月10日号に「慰安婦『調査担当』 韓国人教授が全面自供!」との見出しで、ジャーナリストの大高未貴氏の原稿を掲載した。安氏は「大高氏が慰安婦関連研究のために話を聞きたいと、昨年末からある韓国人を通してしつこく要請してきた。断ったが、1月に報道しないことを前提として会った」と語った。インタビュー記事が載ったことにとても驚いたという。
 大高氏は記事で、1990年代に慰安婦問題の実態調査に加わった安氏が「当時の調査方法は全然ダメ」「実質的な調査失敗」「河野談話はおかしい」などと発言したと伝えた。
 これに対し、安氏は「大高氏が作り出したもの」として、「調査過程で日本軍の慰安婦かどうかを確認することが難しく、当時の調査でもいろいろな問題があったとは発言したが、『実質的な調査失敗』と話したことはない」と反論した。
 また、「河野談話がただ元朝鮮人日本軍慰安婦からの聞き取り調査だけに基づいて作られたとすれば、それ自体がおかしい」と発言したにもかかわらず、「信憑性に欠ける聞き取り調査を基に発表された河野談話はおかしい」と話したように解釈したことも発言の趣旨をねじ曲げられたと主張した。
 安氏は「大高氏が慰安婦問題に無知であることを自白したようなもの」と指摘。「6月に日本政府が公表した『慰安婦問題をめぐる日韓間のやりとりの経緯』でも河野談話は聞き取り調査がまとめられる前、既存の研究を参考にした日本政府の調査に基づいて発表されたことを確認していて、私の主張もそれと同様だ」と強調した。「このほかにも私が話していない発言を巧妙に付け加えたりする方法で私の主張をねじ曲げたところが随所に見られる」という。
 安氏は週刊文春に抗議し反論の掲載を求めたが返答がなく、韓国と日本で弁護士を選任し、民事・刑事訴訟を起こす計画だ。
 安氏は「軍の慰安所は日本軍の後方施設で、慰安婦動員は日本軍の動員計画による事実上の戦時動員だった」と説明。「日本軍が当時の軍慰安所の設置・管理と慰安婦の徴集を担当し、被害者の証言は依然として有効であるというのがこの問題に対する私の認識」と述べた。


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