第2ロッテワールド・プレオープンの様子(提供:news1)
第2ロッテワールド・プレオープンの様子(提供:news1)
「市民参加・民官総合防災訓練の日程はまだ決まっていません。プレオープン期間中に行うかも不透明な状態です。」

 第2ロッテワールドのショッピングモール棟の一般市民公開は16日に終了する。ロッテによると6日から11日現在まで計1万4200名の市民が訪れたという。

 今回のプレオープンは、臨時使用承認申請書と補完書が適合判定を受けたが世論の不安視が継続したため、市民が実際に施設を体験できるようにとソウル市が決定したものだ。

 しかしプレオープンは、ロッテ側が定めたコースを見学しながら説明を聞く形式で行われた。ソウル市がプレオープン期間中に行おうとしていた「民官合同総合防災訓練」の日程もどうなるかわからず「市民参加安全点検」というには不足しているという評価だ。

◇安全点検のないプレオープン…ソウル市は何を?

 「第2ロッテワールド臨時使用承認責任を市民に押し付けた」という非難が大きくなるというソウル市は11日、専門家が参加する安全点検を別途行なってからショッピングモール棟オープンを決定すると発表した。

 しかしこの日発表した△市民参加・民官合同総合防災訓練、△交通需要管理計画など交通状況の点検、△最高層タワー棟工事現場の安全管理点検、△ソクチョン湖周辺の安全状態点検などは、すでにプレオープン発表当時に行うと発表していた内容で「責任逃れの行政」という批判は避けられない。

 特に今回の発表でソウル市は、安全点検をプレオープンとは別に行うと明示し、プレオープン期間中に行うという最初の発表を覆した。

ソウル市は3日に、第2ロッテワールドの商業棟臨時使用承認について“適合”の判断をしながらも臨時オープン前にプレオープンの期間を設けると発表した。プレオープン期間中に市民参加総合防災訓練などを実施し、市民に第2ロッテワールドの安全状態を確認できるようにするということがソウル市の説明だった。

 しかしプレオープン期間の半分を過ぎても、市民が参加できる安全点検のプログラムはない状態だ。ソウル市の関係者によると市民参加・民官合同総合防災訓練がプレオープン期間中に行われることは事実上不可能で、9月中の実施を推進中だという。

 駐車予約制に対する試験運営とモニタリングは、プレオープン最終日の16日にロッテ関係者らを対象に行われる。

 ソウル市が11日から集中点検すると発表したソクチョン湖周辺の下水管損傷点検は、まだ詳細計画も立てられていない。水の再利用計画科の関係者は「第2ロッテワールド周辺の下水管詳細点検は、膨大な量の調査をしなければならないので、来週に点検を実行しても結果は10月になってから出るものだ」と述べた。9月末に臨時使用の承認を決定するとしたソウル市の発表とは食い違っている。

◇「よくやった」…“見学”に来た市民ら、ロッテの説明だけを聞いて終了

 またこの日、第2ロッテワールドショッピングモール棟のプレオープンに参加した市民はにぎやかだった。

 プレオープンコースはブランド品モールとショッピングモール、映画館や水族館など内部施設見学に集中されており、安全状態を市民が体験できるコースはなかった。安全防災センターで行われた担当者の説明は10分もなかった。

 シンクホールや地下水の水位低下など最近話題になっている第2ロッテワールドの安全問題を指摘し、説明する公務員や専門家もいなかった。コース見学後、質疑応答する場はあったが、全てロッテ側の社員たちだった。

 このような状況であるのを見ると、プレオープンはロッテ側が準備したフォトゾーンで商業棟の内部を撮影し、建物を見学するという“観覧”の意味が大きい。

 夫婦で参加したというペクさん(71)は「韓国で一番高い建物だというから見に来た。インテリアも素敵で骨組みもしっかりしてそうだから、すぐにオープンしてもよさそうだ」と語った。

 ソウル市内に住む女性ペさん(59)は「ニュースを見て第2ロッテワールドに不安があったが、広報映像を見て他の国の超高層ビルよりも安全だと言うので安心した。専門家が安全だと言うので信じるしかない」と安心した様子を見せた。

 第2ロッテワールド近隣に住むというある市民は「シンクホールや地下水の水位低下、ワールドタワー棟の安全問題は建物の内部を見たってわからない」と指摘した。続けて「点検に参加した市民団体や専門家が説明をしてくれると思ったのに、ロッテの社員たちだけしかいないので怪しい。気になることがたくさんあったが、聞くまでもないと思ってやめてしまった」と、ややあきらめた様子だった。

 これについてソウル市関係者は「第2ロッテワールドは市の建物ではなく、一企業の建物であるため、プレオープンについてはロッテが主導するしかなく、外部の専門家が参加することはこれからもない」と述べた。

 一方ロッテはプレオープン期間中に訪れた市民の希望者に無記名アンケートを実施していた。アンケートはロッテのみが担当している点で、今後信頼性の問題が提起されると見られる。アンケート用紙には△施設及び工事安全状態、△交通など全般の準備状態、△防災施設システムおよび消防訓練状態 など三項目にわたり「不十分」から「良好」までの10点満点で評価するようになっている。

 ソウル市関係者は「プレオープンは市民の意見聴取よりも公論化に焦点が当てられているため別途アンケートを取るなどの計画はしていない。ロッテ側で行っているアンケートはロッテ側で市民の意見をチェックするためのものだ」と言うが、ロッテ関係者は「アンケート結果は後日ソウル市に提出することになっている」と述べた。

 プレオープンは、第2ロッテワールドの商業棟内の広報館、デパート、ショッピングモール、映画館、スーパー、水族館、総合防災室などのコースを回り、現場職員の説明を聞くと言う方式で進められた。所要時間は、20分間の広報映像の視聴を含め計1時間20分だった。


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