【ソウル聯合ニュース】韓国と米国による定例合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)が28日に終了したことに伴い、朝鮮半島情勢が対話局面に転換するのではないかという見方が出ている。
 演習に反発して韓国に対する非難や威嚇を展開していた北朝鮮の態度が軟化し、南北関係改善の動きが再開するのではないかと予想されている。
 まず、韓国政府が提案した今年2回目の南北高官級協議について、北朝鮮が先延ばししてきた回答を発表するのではないかという観測が出ている。
 演習が行われた2週間に北朝鮮が南北関係を悪化させる実質的な挑発をしなかったことが、UFG以降の対話局面への転換を予告しているという声もある。
 韓国の民間シンクタンク、世宗研究所の洪鉉翼(ホン・ヒョンイク)首席研究委員は「北も高官級協議を望んでいるため(演習が終われば)新たに提案するなどして、南北間高官級協議を行うのではないか」と見通した。
 来月19日に開幕する仁川アジア大会も関係改善を後押しするとみられる。
 韓国政府関係者は「北にアジア大会への参加意志がある限り、核実験など強力な挑発は行わないだろう」と話した。
 こうした分析をまとめると、北朝鮮のアジア大会参加と高官級協議の実現などで9月には南北間で対話ムードが醸成される可能性が高い。
 ただ、対話ムードの高まりが南北関係の実質的な変化につながるかは不透明な状況だ。
 高官級協議などを通じ北朝鮮が望む金剛山観光の再開や、5.24措置(2010年の韓国海軍哨戒艦撃沈事件を受けた対北朝鮮制裁)の解除などについて、進展しなかった場合、北朝鮮は11月の米中間選挙前に挑発姿勢に転じる可能性がある。
 洪首席研究委員は北朝鮮が高官級協議で5.24措置の解除を迫ってくることは明らかだとした上で、「韓国がどう対応するかにかかっている」と指摘した。
 核問題に関し、北朝鮮の態度に変化が見られない点も南北関係改善の障害になっている。 
 核開発と経済発展を同時に進める「並進路線」を選択した北朝鮮が核問題でかたくなな態度を見せている状況では、韓国政府の対北朝鮮政策も行き詰る恐れがある。
 だが、南北間で対話ムードが醸成されれば、北朝鮮の核問題について話し合う6カ国協議などの再開と関連した協議にプラスの影響が出るとの指摘も聞かれる。

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