【ソウル聯合ニュース】韓国の鉄鋼業界が、中国による供給過剰という悪条件にもかかわらず先進国の景気回復を追い風に輸出を増やしていることが3日、分かった。
 産業通商資源部によると、韓国鉄鋼メーカーの7月の輸出額は31億9800万ドル(約3281億5000万円)で前年同月比22.4%増加した。主要輸出品目の中では無線通信機器(同24.6%増)に次いで2番目に輸出額増加率が高かった。1~7月の累計輸出額は206億6600万ドルで前年同期比9.2%増加した。
 世界景気の低迷で鉄鋼の需要が急減した昨年は輸出が低調だった。輸出額は前年比12.1%減の324億9700万ドルにとどまった。昨年の不振は、生産設備を拡充し世界的な供給過剰に拍車を掛けた中国の鉄鋼メーカーによる攻勢が大きな要因となった。韓国市場にも中国製の低価格な鉄鋼材が流入した。
 今年に入り鉄鋼の輸出が増加に転じたのは米国や日本など先進国市場で再び需要が高まっていることが背景にある。特に、先進国市場では韓国メーカーが差別化された製造力を持つ高級鋼材の需要が高い。実際、今年初めは1トン当たり929ドルだった鉄鋼材の平均輸出単価は6月現在、946ドルに上昇した。高価格製品の輸出量が増えたことがうかがえる。
 下半期(7~12月)も中国メーカーの供給過剰が続くとの見通しが優勢だが、韓国メーカーは高品質の高価格製品を中心に海外販売を増やし、輸出増加の勢いをさらに加速させる計画だ。
 韓国の鉄鋼大手ポスコは昨年上半期(1~6月)に42%だった輸出の割合を今年は45%に引き上げた。現代製鉄も21%から27%に高めた。
 業界関係者は「下半期も輸出の割合を高めながら高級鋼材の販売を拡大することが中核的な事業戦略になるだろう」と話している。
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