【ソウル聯合ニュース】韓国と日本が23日にソウルで旧日本軍の慰安婦問題の解決を目指す局長級協議を再開するのを前に、日本が2012年の韓日間慰安婦問題協議の際に日本の首相が被害者に直接謝罪する案に言及していたことが分かった。韓国消息筋が22日、明らかにした。
 両国で政権は変わったが、当時、日本が提示した案が一つの基準になり得るという点で注目される。
 ◇日本、踏み込んだ解決策提示
 当時の李明博(イ・ミョンバク)政権の慰安婦問題をめぐる交渉内容に詳しい韓国消息筋によると、日本は当時、▼韓日首脳会談で日本の首相が直接謝罪する▼駐韓日本大使が大使館前で毎週水曜に行われるデモで被害者から話を聞き謝罪する▼日本政府予算による被害者への補償――などが含まれた問題解決策を提案したと伝えた。
 外務省の佐々江賢一郎事務次官(当時)が12年3月に来韓した際に、慰安婦問題の解決を目指し提示したもので、両国は当時これを土台に非公開で協議を進めたとされる。
 こうした内容はこれまで日本メディアの報道で伝えられていた当時の協議内容より踏み込んだものだ。
 昨年10月の日本メディアの報道では、両国の12年の協議内容は▼被害者に対する日本の首相の手紙▼駐韓日本大使の謝罪▼人道措置としての資金支援――などだった。
 日本政府の予算支援が被害者に対する直接の補償ではなく、医療・福祉支援だったとする指摘もあるが、首相の謝罪や日本政府による予算使用が含まれている点で「韓国の要求を大方受け入れたもの」と評価する声もある。
 日本は11年12月に京都で開かれた両国首脳会談が慰安婦問題で「外交的失敗」に終わったことを受け、こうした方策を提示したとされる。
 だが、当時の韓国外交部が日本政府の「国家としての責任」を明確に盛り込むべきだと主張したため合意には至らなかったもようだ。
 当時、12年6月末から7月初めに両国の軍事秘密情報保護に関する協定締結の先送りが決まり、8月には李大統領の独島訪問と、両国関係が悪化する状況にあった。その後、韓国側が日本に慰安婦問題の協議をあらためて提案し、双方は協議を続けたが具体的な成果は得られなかった。
 ◇日本国内でも解決の必要性を認識
 佐々江氏が示した慰安婦問題に関する案は過去の政権が議論した事項だったため、現在の協議とは切り離すというのが韓日両国の公式的な雰囲気だ。
 何よりも、日本の政権が民主党から自民党に変わり、安倍晋三内閣では日本の大胆な方針転換による解決策提示を期待するのは難しいという見方が強い。
 ただ、日本の政界内部からは慰安婦問題解決の必要性を認識する意見も少なくないため、安倍内閣による姿勢変化が期待できるという指摘もある。
 また、安倍首相の政治スタイルに注目すべきとの意見もある。
 安倍首相が日本人拉致問題をめぐり訪朝する可能性が提起される中、必要な場合、慰安婦問題についても電撃的な決断が下されることもあり得るという声が上がっている。
 韓国政府筋は「双方が新たな協議を進めている状況だが、これまで合意していた内容が今の協議で一つの物差しになる可能性もあるだろう」と話した。

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