出廷する慰安婦被害者ら=9日、ソウル(聯合ニュース)
出廷する慰安婦被害者ら=9日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国で出版された「帝国の慰安婦-植民地支配と記憶の闘争」が旧日本軍の慰安婦被害者を「売春婦」「日本軍協力者」と侮辱したとして、被害者らが同書籍の販売差し止めを求めた仮処分申請の初審理が9日、ソウル東部地裁であった。出廷した慰安婦被害者5人は著者の朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授が被害者の名誉を毀損(きそん)し、精神的な苦痛を与えていると訴えた。
 慰安婦被害者らは6月、同書籍が慰安婦について、「基本的に日本の軍人と同志的関係を結んでいた」などと記述したことに反発し、朴氏を名誉毀損で告訴した。
 慰安婦被害者の一人、イ・オクソンさんは審理で、「強制的に連れ去られた私たちを慰安婦というのはあまりにも悔しい。言うことを聞かなければ撃ち殺し、刺し殺す慰安所は人を殺す屠殺場と変わらなかった」と証言した。
 朴氏は答弁書で、「慰安婦被害者を『売春婦』や『日本軍協力者』と記述したのは歴史的な事実に基づくもの」と主張。「『何も知らない純粋な少女が軍人に強制的に連れ去られた』というのが一般的な認識だが、慰安婦制度は基本的に賃金労働だった」と述べた。その上で、「朝鮮人の慰安婦を『協力者』と記述したのは、植民地だった朝鮮の現況を正確に見るためだった」と説明し、「その協力に『心』が存在したかどうかは関係がなく、慰安婦被害者を罵倒したものではない」とした。
 慰安婦被害者らは審理後に記者会見を開き、「歴史の生き証人がここにいる。(朴氏が)親日派でないのならば、売春婦という言葉を口にすることはできないはずだ」と批判。「日本の妄言を防ぐどころか、日本と同じ論理の本を出して金を稼ぐ人間が学生を教える教授なのか」と嘆いた。
 次の審理は9月17日に行われる。

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