【ソウル聯合ニュース】韓国の政府庁舎の警備担当警官が誤発砲事故を起こしたにもかかわらず、警察が隠蔽(いんぺい)を図っていたことが8日、明らかになった。
 警察によると、3月6日午後9時ごろ、ソウル庁舎別館の西門警備詰め所で警備に当たっていたソウル地方警察庁政府ソウル庁舎警備隊所属の警官が肩から提げていたK2小銃から実弾1発が発射された。空に向けて発射されたため、人命に被害はなかった。
 同庁舎の周辺は米国大使館や世宗文化会館など主要施設が密集しており、青瓦台(大統領府)からも近い。
 通常は小銃を携行しないが、当時は朝鮮半島有事を想定した韓米合同の野外機動訓練「フォールイーグル」が実施されており、小銃が支給された。ただ、実弾の支給はなかった。
 誤発砲の直後、警備隊の警監(警視)は状況を把握しながらも、上層部に報告しなかった。しかし、うわさが広がり、半月後に内部告発から監察が始まった。警察が現場から回収した薬きょうを分析した結果、昨年12月にK2小銃射撃訓練に用いられたものと同種と分かったが、実弾の出所やどのような経緯で装填(そうてん)されたかは明らかにできなかった。
 射撃訓練後は薬きょうや不発弾も回収し、数量を確認することになっている。警察によると、当時の文書には問題がなかった。
 訓練後に残っていた実弾が回収されず、数量確認もおろそかにされ、数か月後に事故が発生したとの推測が可能だ。何者かが隠し持っていた実弾をこの小銃に装填した可能性も排除できない。
 警察は先月、外部者が参加する懲戒委員会を開き、警監をけん責処分、庁舎警備隊長ら4人を警告処分とした。
 最近、警察官の飲酒運転や暴行事件なども相次ぎ発生している。

Copyright 2014(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0