【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮の関係が冷え込む中、来月以降に関係が少しずつ改善される可能性があるとの見方が出ている。
 今年初めの高官接触や朝鮮戦争などで生き別れになった南北離散家族の再会を機に改善の兆しがみえていた南北関係は、2月に実施された韓米合同軍事演習を境に再び悪化した。特に韓国政府に対する最近の北朝鮮の誹謗(ひぼう)の度合いは既に李明博(イ・ミョンバク)政権のときを上回ったとの見方も出始めている。
 一方で、安定的な経済発展のためには北朝鮮にとって外部世界との関係改善は切実であり、韓国政府も対北朝鮮政策「朝鮮半島信頼プロセス」の本格的な進展を期待していることから、南北双方が局面転換の必要性を痛感しているだろうとの見方もある。
 まずは、韓国政府の外交安保分野の人事刷新がどのように行われるか注目される。その結果によっては、北朝鮮が韓国に対し戦術的に柔軟なサインを送り、韓国政府の対北朝鮮政策もより柔軟になる可能性もある。一部からは北朝鮮が電撃的に高官接触を提案してくる可能性も排除できないとの見通しが出ている。
 また、北朝鮮が黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)に近い延坪島南西沖で哨戒活動中だった韓国軍艦艇の近くに砲撃を加えた翌日の23日、仁川アジア大会(9月19日開幕)への参加を表明したことも関心を集めている。
 早ければ来月中に中国の習近平国家主席が訪韓する可能性があることも北朝鮮が対韓国政策を緩和する要因に挙げられる。中国の立場を踏まえると北朝鮮が南北間の緊張をある程度和らげるのではないかという理由からだ。
 具体的には韓国で来月4日に実施される統一地方選挙以降からローマ法王フランシスコの訪韓(8月14~18日)前後が南北関係が再び改善する契機になるとの予想もある。
 平和と和解のメッセージを伝えるローマ法王の訪韓という大型行事が自然に南北和解ムードにつながる蓋然(がいぜん)性があり、8月15日の光復節(日本植民地支配からの独立記念日)に合わせて、韓国政府が北朝鮮に対し新たなメッセージを伝える可能性もある。
 東国大の高有煥(コ・ユファン)北韓学科教授は25日、「6月の地方選挙後からローマ法王訪韓までの時期に南北関係が改善されなければ、関係の行き詰まりはかなり長引くことも考えられる。今からでも南北が互いを刺激せずに信頼を築く努力を進めるべきだ」との見解を示した。
 北朝鮮が選手団派遣を表明した仁川アジア大会は南北対話に向けた雰囲気作りの役割を果たすことになるかもしれない。韓国政府は、北朝鮮が砲撃の翌日にアジア大会参加を発表するという硬軟両面の姿勢を見せた意図を分析している。政府関係者は「北の今後の態度を注視する」と話している。
 しかし、南北関係を楽観ばかりしてはいられないさまざまな変化要因は依然存在する。
 北朝鮮は南北関係をさらに悪化させかねない4回目の核実験というカードを握り続けている。北朝鮮・豊渓里の核実験場では人と車両の動きが確認されているという。
 これに加え、NLL付近での衝突の可能性も残っている。北朝鮮は内部で金正恩(キム・ジョンウン)体制の結束などのためにいつでも韓国に対し強攻策に出る可能性があるため、当面は状況を見守る必要があるとの指摘も出ている。

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