【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は22日、新首相に安大熙(アン・デヒ)元最高裁判事を指名した。青瓦台(大統領府)の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官が記者会見で発表した。
 閔報道官は新首相の指名について、朴大統領が国民向け談話で表明したとおり、旅客船セウォル号沈没事故を通じて明らかになった韓国社会や公務員らの誤った慣行や悪弊を正し、国家改造を推進するためと説明した。
 安氏については、大法院(最高裁)判事やソウル高検庁長、大検察庁(最高検)中央捜査部長を歴任したと紹介。「大統領選挙をめぐる不正資金や大統領側近の不正に対し聖域なき捜査を断行した。公務員や政府組織の改革を遂行できる」と評価した。
 また、朴大統領は新首相の意見を受けて内閣改造を断行する意向だと明らかにした。
 事故の責任を取るとして先月、辞意を表明した現職の鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相の後任に安氏を指名したのは、剛直と評される検事出身の安氏を前面に立て、朴政権最大の危機を乗り越えるためとみられる。内閣を一新し国民の信頼回復を図る構えだ。
 安氏は2012年の大統領選挙で与党セヌリ党の政治刷新特別委員長を務めたが、人事をめぐり当時の党公認候補だった朴大統領と対立し、政治の一線から退いた経歴がある。
 安氏はソウル大在学中に司法試験に合格し、25歳で当時の最年少検事となった。02年大統領選でのハンナラ党(セヌリ党の前身)の不正資金事件や03年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(当時)の側近による不正資金事件の捜査を指揮し国民に名を知られた。
 閔報道官はまた、朴大統領が情報機関、国家情報院(国情院)の南在俊(ナム・ジェジュン)院長と青瓦台の金章洙(キム・ジャンス)国家安保室長の辞表を受理したことも発表した。
 南院長の辞表受理は、国情院の大統領選介入事件や07年の南北首脳会談の議事録無断公開、ソウル市職員をめぐるスパイ事件の証拠捏造(ねつぞう)など相次ぐ不祥事の責任を問われたものとみられる。金室長については、沈没事故をめぐり「青瓦台は災害コントロールタワーではない」との責任逃れの発言が問題視されたもようだ。
 安全保障の主軸を担う2大ポストが空席になったことにより、政府の外交、安保分野の改編も避けられない。
 一方、青瓦台の金淇春(キム・ギチュン)秘書室長は留任する可能性が高いとみられている。

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