謝罪するキム・ソッキュン海洋警察庁長官
謝罪するキム・ソッキュン海洋警察庁長官
4月最後となる30日、セウォル号事故行方不明者に対する半月目の捜査が続けて行われていた。

 検察は、乗客を見捨てて脱出した主な乗務員15名を拘束してから初めて、船会社の関係者2名を逮捕した。

 海洋警察庁長官は、捜索の失敗について謝罪し頭を下げ、専門家らは捜索状況を点検するため顔を寄せ合った。

 死者は212名となり、不明者は90名。


◇2km離れた先で遺体を発見

 救助チームは現在、セウォル号全111室のうち44室を捜索した。
様々な部屋がある中で乗客がいると思われる部屋は、64室になると見ている。

 救助チームは来月初めまで戸が開かない所と共用区域などを中心に、中旬までには追加で不明者がいそうな空間やこれまで優先されてこなかった空間を捜索することにした。

 救助・捜索作業が長期化し、遺体の流失が懸念される中、事故現場から2kmほど離れた先で1名の遺体が発見された。

 東巨次島から200m先の海上で油除去作業をしていた漁師が遺体を収容し、救助チームに引き渡した。

 キム・ソッキュン海洋警察庁長官はこの日記者会見を開き「言葉では言い表せない悲しみと苦痛を味わっている犠牲者の家族、そして国民に心からお詫びいたします」と謝罪した。

 キム長官は「海難事故の救助責任者として、迅速で効率的な初期救助が出来なかったという皆さんの言葉を真摯に受け止めます」とし「捜索作業が長引き混乱を招いたことについて重く責任を感じています」と述べた。

 
◇清海鎮海運の関係者2名を逮捕…乗務員ではない人物の逮捕は初めて

検察・警察の合同捜査本部は、清海鎮海運の物流チーム長のキム氏と理事のアン氏を逮捕した。2人はセウォル号に荷物を過積載した結果、事故を起こしたという容疑(業務上過失致死・船舶安全法違反など)になっている。

捜査本部はセウォル号出港当日も乗務員が船の過積載問題を提起していたが、会社側は無視したという陳述を受けて調査に踏み切った。

 セウォル号は貨物を規定(987トン)の3倍を超える3608トン(自動車180台を含む)も積んでいたことが確認された。

 捜査本部はまた、セウォル号救助設備の点検業者代表が、昨年6月に清海鎮海運の役員に500万ウォンを渡したことが分かり、不正なやりとりでないかと調査している。

 点検業者代表は「よく知るわけではないが、家を買うのにお金が足りないから1年間貸して欲しいと言って口座に入れてもらった」とし「決して賄賂ではない」と主張した。
 
 
◇2010年の天安艦事件の遺族が3泊4日でボランティアを開始

 不明者の救助・捜索の効率を上げるため「救助捜索に関する各界専門家会議」も開かれた。会議を主催したチョン・ホンウォン国務総理はあいさつの中で「迅速で確実な救助・捜索方法があるならば、どんなことでも受け入れる」と改善策や提案を注文した。

 会議には、海洋水産部、海洋警察、海軍関係者をはじめ、船体救助、捜索、潜水、国際救難、海洋プラント、海底地形及び海洋分野の専門家などが出席した。

 天安艦事件の遺族28名は珍島郡の室内体育館を訪れ、3泊4日でボランティアを開始。以前に国民に助けてもらった恩返しであり、また同じ経験をした者として不明者家族の役に立ちたいと思い、活動することを決心した。

 天安艦事件遺族協議会長のイ・インオクさん(52歳)は「生きて返ってくることを望む気持ちは、ここにいる家族の皆さんと同じです」とし「どんな言葉も慰めにならないことは分かっているので、ただ純粋にボランティア活動をしに来ただけです」と述べた。

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