控訴審判決後、取材陣の質問に答えるソウル市職員のユ・ウソン氏=25日、ソウル(聯合ニュース)
控訴審判決後、取材陣の質問に答えるソウル市職員のユ・ウソン氏=25日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国に住む北朝鮮脱出住民(脱北者)の情報を北朝鮮に渡したとして国家保安法違反罪に問われたソウル市職員の男性の控訴審判決で、ソウル高裁は25日、一審と同じくこの男性をスパイとみる証拠が不足しているとして無罪を言い渡した。
 国家保安法違反罪については無罪とし、旅券法および北朝鮮離脱住民保護法違反の罪のみ有罪と認定。懲役1年、執行猶予2年、罰金2565万ウォン(約256万円)の支払いを命じた。
 高裁はこの事件の鍵を握る男性の妹の証言は、情報機関・国家情報院(国情院)による不当な取り調べで得られたものだとして、証拠能力を認めなかった。
 男性は韓国に住む脱北者約200人の情報を北朝鮮に渡したほか、身元を偽って脱北者に支払われる定着支援金を受給したとして、昨年2月、国家保安法および旅券法違反罪などで起訴された。同年8月の一審判決でもスパイ罪については無罪が言い渡された。
 事件をめぐっては、証拠として裁判所に提出された男性の中国出入国管理記録などの公文書を偽造した罪で国情院の職員らが起訴された。

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