韓国国内では自粛ムードが広がりを見せ、わずかに緩んでいた財布のひもも再び固くなっている。
5月は韓国で子どもの日やオボイ(父母)の日を迎える「家庭の月」にあたる。日本のゴールデンウイークや中国の労働節(メーデー)連休もあり、マーケティングに活用できる要素が多く、業界は頭を悩ませている。
観光業界も相次ぐ団体旅行のキャンセルに戸惑っているものの、これといった対策がないのが現状だ。
◇沈没事故で買い控え
事故後、消費者が買い物を控え流通業界もマーケティングイベントなどを自粛しているため、主要流通メーカーの売り上げが減少し続けている。
テレビ通販会社のCJオーショッピングは23日、先週末19、20日の売り上げが前週末に比べ20.0%減少し、21日も1週間前より5%ほど減少したと明らかにした。
イーマートなど大型スーパーも事故直後から売り上げ減少が続き、事故の被害者が多く居住する京畿道安山市周辺の大型スーパーの売り上げは10%以上減った。
春のセールシーズン終盤を迎えた百貨店も前年同期に比べ売り上げがわずかに減少した。
高級ホテルで予定されていた企業や公共機関によるイベントも相次いでキャンセルになったほか、外食業界でも多数の予約キャンセルが出るなど影響が拡大している。
◇団体旅行キャンセル続く
事故を受け、団体旅行のキャンセルが相次ぎ自粛ムードの影響は旅行業界にも広がっている。
韓国観光協会中央会によると、ソウル地域の一部旅行会社では学生、公務員など団体旅行のキャンセル率が18日基準で50%を超え、さらに増えることが予想されている。
済州島や珍島、木浦で実施またはこれらの地域を経由する旅行や公務員研修旅行はほとんど取りやめとなった。
業界は文化体育観光部とともに行う「観光週間」(5月1~11日)イベントを含む春の旅行シーズンまで影響が続く可能性が高いとみている。
◇企業は「売り上げよりも哀悼」
被害者に哀悼を表する意味で企業は積極的なマーケティング活動を減らしたり中止したりしている。
酒類メーカーでは華やかなパーティーを思わせるアルコール飲料の広告や試飲イベントなどを全て中止した。
ビールの新製品発売を迎えたロッテ酒類は広告やイベントを取りやめるなど対応に追われた。OBビールやハイト眞露など他社も広告やイベントの無期限中止を決めた。
ベーカリーチェーンの「パリバケット」を運営するSPCグループは、女優チョン・ジヒョンを起用したテレビCMの放映を17日から中断している。
グループ関係者は「CMでチョン・ジヒョンが見せる明るいイメージが哀悼のムードに合わないため中断した」と話した。
そのほか、春本番を迎え屋外で開かれる予定だったホテルやスポーツ用品メーカーなどのウオーキング、マラソンイベントも相次いで中止となった。
◇「いつまで」 頭抱える業界
業界は国家的な哀悼ムードを踏まえ当分の間は積極的なマーケティングは行わない方針だが、マーケティング中断が長引くことを懸念している。
大型スーパー関係者は「哀悼ムードの中、マーケティングや売り上げ問題を取り上げるのは難しい状況だ。キャンプシーズンや6月のサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会を控え5月以降のイベントはそのときの雰囲気を見て決める」と話した。
別の関係者は「5月初めになれば哀悼ムードも落ち着くのではないかとみている」として、来週からテレビや新聞での広告を再開することを検討していると説明した。
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