生徒たちが教諭に贈った手紙(画像:聯合ニュース)
生徒たちが教諭に贈った手紙(画像:聯合ニュース)
韓国南西部の珍島(チンド)付近で旅客船が沈没してから一夜明けた17日、不明者の捜索が早朝から再開された。

 この事故に巻き込まれている多くは修学旅行生であるが、学生たちを引率し乗船していたところ行方不明になっている安山市(アンサンシ)の檀園(タンウォン)高校2年クラス3番担任のキム・チョウォン教諭は事故当日、誕生日だったことがわかった。

 クラスの生徒らがキム教諭と修学旅行に発つ前の14日、学生33人がはがきサイズの色紙へ個別にメッセージを書き、キム教諭へ渡そうとしていた手紙の束の存在も明らかとなっている。

 手紙によるとキム教諭は今年度、初めて担任を受け持つこととなり緊張し泣いてしまったこともあるという。人間味あふれる人物で親しみやすい先生として、生徒にも人気のある先生だった。

 事故により行方不明となっている学生のキム・ダムビさんは「何回目の誕生日なのかわかりませんが、おめでとうございます。クラスのみんなで小さなプレゼントを準備しました。楽しい思い出をたくさん作ってください」と手紙に綴った。

 また、キム・ドオンさんは「修学旅行の日が誕生日ということで、気持ちは微妙ですか?家族や友人と(誕生日を)過ごせなくて悲しいですよね?今回は私たちと過ごしましょう!先生、お誕生日おめでとうございます」とし、キム教諭を思いやった。

 無記名だった手紙には「先生、誕生日が修学旅行と重なったのは偶然の一致?船の上で誕生日を迎えるのは、とても特別な経験になりますよね」と書かれてあった。

 一方、船から奇跡的に救出されたキム・ドヨンさんは「初めてクラスに来たとき、かなり緊張していた先生の姿が記憶に残っている。先生と出会ってすぐに仲良くなれてうれしく、相談をした際にも私のことを理解してくれて、本当に感動した」と話した。

 なお、檀園高校2年3番クラスは生徒39名で、今回の事故により8名の死亡を確認。残る生徒たちは現在も行方不明となっている。

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