【ソウル聯合ニュース】韓国政府は24日に発刊した「2014年版 統一白書」で、韓国人観光客が北朝鮮兵の銃撃で死亡した事件を受け2008年から中断している金剛山観光が「発展的方向」で再開されなければならないという原則を提示した。
 統一部は同白書で、「金剛山観光が韓国国民の懸念を解消し発展的方向で再開できるよう持続的に努力していく方針」だと明示した。
 政府は観光再開のためには何よりも韓国国民の身辺の安全問題が解決されなければならないとした。また、類似事件の再発防止のため当局間で確実な安全の保障体制を整えるとともに、韓国企業の財産権回復問題の解決を求めた。
 これについて同部の金義道(キム・ウィド)報道官は同日の定例記者会見で「北が原因をつくっただけに自らがこの問題で責任ある対応を取らなければ韓国は政府レベルでの検討を行わない」と述べた。
 金報道官のこの発言は、今年2月に南北高官級協議と南北離散家族再会行事が行われ今後、北朝鮮による金剛山観光の再開要求が本格化するとみられる中、政府が観光再開に向けた韓国側の要求事項をあらためて示したものとみられる。
 朴槿恵(パク・クネ)政権発足後に初めて発刊された今回の統一白書は、「朝鮮半島信頼プロセス」」(対話や人道支援を通じ南北の信頼構築を目指す政策)の概念と方向性を説明するのに主眼を置いた。
 政府は北朝鮮による挑発のたびに韓国の妥協や保障が繰り返される悪循環を断ち切るためには、北朝鮮の挑発や誤った行動に強く対応し「挑発には対価が伴う」という点をはっきり認識させる必要があるとの姿勢を示した。また、これを通じ北朝鮮が合意を順守する国際社会の責任ある一員となるよう導かなければならないと指摘した。
 その一方で、北朝鮮の非核化の進展具合や信頼構築に合わせて、北朝鮮に電力、交通、通信などのインフラ投資を行う「ビジョンコリアプロジェクト」を推進すると説明した。
 柳吉在(リュ・ギルジェ)同部長官は白書の発刊にあたり、「(南北関係が)厳しい状況にあっても朴槿恵政権は南北関係発展と朝鮮半島の平和統一基盤構築を目標にした『朝鮮半島信頼プロセス』を新たな対北朝鮮政策として提示した」と説明。その上で、こうした基調の下で北朝鮮の誤った行動には断固とした対応で臨むと同時に、対話を通じた南北間の懸案解決を模索したと説明した。

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