【全州聯合ニュース】1978年に北朝鮮に拉致された韓国人被害者で、日本人拉致被害者の横田めぐみさんの夫だった金英男(キム・ヨンナム)さんの母、崔桂月(チェ・ゲウォル)さんが「死ぬ前にもう一度、息子と孫の顔が見たい」と心境を明かした。
 英男さんとめぐみさんの娘で、崔さんの孫にあたるキム・ウンギョンさんは先ごろ、モンゴルでめぐみさんの両親の横田滋さん、早紀江さん夫妻と面会した。
 崔さんは2006年に北朝鮮・金剛山で行われた南北離散家族再会行事で英男さん、ウンギョンさんとの対面を果たした。
 英男さんの姉、英子(ヨンジャ)さんは20日、聯合ニュースの取材に対し、「母はもう一度会えれば悔いはないという話をよくする」と伝えた。崔さんは会話や身動きがうまくできないほど健康状態が悪化している。ウンギョンさんが横田さん夫妻と面会したことについては「よかった。拍手を送りたい」と喜んだという。
 英子さんは英男さんについて「再会当時、別れ際に1か月以内に北朝鮮に招待して自分の家を見せてくれると約束していた。近いうちにその約束を必ず果たし、母の願いをかなえてくれれば」と語った。
 また、「弟も元気でいると信じているが、北朝鮮の体制が変化したため身辺に異常がないか心配でもある」と述べた。
 韓国の拉致被害者家族の団体、拉北者家族会の崔成龍(チェ・ソンヨン)代表は「韓国の数多くの拉致被害者の家族が崔さんのように胸を痛めながら過ごしている」とした上で、韓国政府が日本のように拉致被害者問題に関心を持って、さらに積極的に対応すべきだと求めた。

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