破損したパノラマサンルーフ(交通安全公団提供)=(聯合ニュース)
破損したパノラマサンルーフ(交通安全公団提供)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】自動車のパノラマサンルーフの破損が相次いでいることを受け、韓国国土交通部が強度試験を実施した結果、強化ガラスのセラミックコーティング部分の強度は一般ガラスより弱いことが分かった。
 国土交通部は韓国で運行中のパノラマサンルーフ付き自動車55モデル・65万台について製造過程で欠陥があるとの暫定結論を出し、このほど国際会議でセラミックコーティング部分の脆弱(ぜいじゃく)性の問題を提起した。
 国土交通部の関係者は13日、「セラミックコーティング部分は非常に弱いことが試験で明らかになった」と話した。同部の交通安全公団自動車安全研究院が国際基準に基づき、鉄球を落下させる試験でパノラマサンルーフの強度を調べた。6回落下させ、2回破損すれば不適格となる。
 パノラマサンルーフは中央部分がコーティングされておらず、その周りはセラミックコーティングとなっている。セラミックコーティング部分はパノラマサンルーフの面積の半分を占めている。試験の結果、コーティングしていない部分は問題なかったが、セラミックコーティング部分は例外なく割れ、一般ガラスより強度が弱いことが分かった。
 自動車安全研究院はコーティングの過程で塗料の特定成分がガラスに染み込んで強度を弱めたとみている。自動車強化ガラスのセラミックコーティングに用いられる塗料は世界で2社が供給している。
 国土交通部はセラミックコーティング部分の弱さを欠陥と見なすのは当然とし、リコール(無償回収・修理)が必要との立場だ。しかし、韓国と海外の完成車メーカー12社は国土交通部の試験方法が国際基準より厳しいと反発している。米国なども自国企業を支持していることから、国土交通部は通商摩擦を懸念し、まずは国際機関で基準を明確にすることにした。
 国土交通部の問題提起を受け、国連欧州経済委員会の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)は5月にスイスのジュネーブで開かれる一般分科会議でパノラマサンルーフの欠陥問題を取り上げることにした。
 韓国では走行中にパノラマサンルーフが突然粉々に割れるなどの事例が昨年だけで33件報告された。運転者が割れたガラスでけがをしたり、事故を起こしたりする危険性がある。

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