【ソウル聯合ニュース】慰安婦問題をめぐり旧日本軍の関与と強制性を認めた河野洋平官房長官談話について、日本が元慰安婦の証言を検証する可能性に言及したことで韓日関係が一層揺らいできた。4月にオバマ米大統領が韓日両国を訪問し、ぎくしゃくした両国関係をとりなすと予想されているが、「河野談話」の見直しにもつながる動きは韓日関係の悪化を招きかねない。
 韓国政府は「河野談話」について、植民地支配と侵略を認めた「村山談話」とともに対日関係の基本土台との認識を持っている。特に韓国政府内では日本との関係改善の重要な要素として、慰安婦問題での日本の変化を挙げる声が多いため、「河野談話」には敏感だ。
 そんな中、日本政府は慰安婦問題の解決どころか「河野談話」検証のためのチームの設置方針を示した。韓国内では「河野談話」を事実上無効にする試みではないか、との疑念が出ている。
 安倍晋三首相は昨年末、靖国神社参拝という「挑発」で韓国や中国との関係を破綻に近い状態に追いやった。
 韓国との関係で言えば、正常化を図るためには日本が先に何らかの措置を取る必要がある。このうち、慰安婦問題は改善のきっかけになるとして大いに注目されていた。それだけに、今回の「河野談話」に対する日本の動きに失望感を隠せない。
 朴槿恵(パク・クネ)大統領が日本による植民地時代に起きた「3・1独立運動」の記念式典で慰安婦問題について力説したのも、こうした事情があるからと受け止められている。
 来月末のオバマ大統領の韓日歴訪では、両国の関係改善が重要議題になる可能性が高いが、「河野談話」の見直しにつながるような動きが続けば米の努力は水泡に帰す。
 今月末ごろには日本の教科書検定があり、4月には靖国神社の春季例大祭がある。さらに今春には日本の集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈変更の動きが具体化する可能性が高い。
 ただでさえ、韓日関係に影響を与える「行事」が続くにもかかわらず、歴史に逆行する「河野談話」の見直しにつながるような動きが出れば、両国関係はさらに悪化する恐れがある。
 ある韓国政府筋は2日、「関係改善のために重要なのは日本の態度。日本が自ら解決しなければならない」と述べた。

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