北朝鮮がビラ散布を中断か　「重大提案」との関連に注目

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が昨年12月から行っていた韓国を誹謗（ひぼう）するビラの散布を一時中止していることが明らかになった。
　韓国軍と情報当局は北朝鮮のこのような動きが、北朝鮮の国防委員会が16日に韓国に対し、「誹謗行為中止のために実質的な措置を取る」と伝えたことと関連があるか注目している。
　複数の政府消息筋は28日、北朝鮮軍がビラの散布を2週間前から中断しており、分析を進めているとした上で、「韓国側を強く非難した内容のビラも白ニョン島や延坪島の一帯で発見されていない」と明らかにした。
　北朝鮮は今月初めまで、韓国軍を消滅させるなどといった内容のビラを散布していた。過去にはビラの下段に偽りの機関および団体の名が記されていたが、今回のビラには「朝鮮人民軍」と明確に表記されていた。西北島嶼（とうしょ）で発見されていた同様のビラも4日以降、回収されていないと消息筋は伝えた。
　軍当局の関係者は同地域で近頃、北朝鮮のビラが発見されないとした上で、「気象状況の影響で北朝鮮がビラを韓国側に散布していない可能性もある。実際に何らかの意図で中止したのかもしれないが、まだ明確ではない。北朝鮮軍の動きを綿密に分析している」と話した。
　また、「北朝鮮軍の冬季訓練は地上軍を中心に例年の同時期よりむしろ活発に行われている」と伝えた。
　北朝鮮・国防委員会は16日、朝鮮中央通信を通じて「南朝鮮（韓国）当局に送る重大提案」を発表した。同委員会は、南北関係改善が北朝鮮の立場とし、「われわれは旧正月（今年は1月31日）を機に、互いを刺激して誹謗中傷するすべての行為を全面中止する措置を取ることを南朝鮮当局に正式に提案する」と伝えた。