【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は26日、日本の菅義偉官房長官が初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した独立運動家、安重根(アン・ジュングン)を「テロリスト」と呼んだことについて、「反日愛国の烈士をむやみに冒涜(ぼうとく)すべきでない」と指摘した。
 同紙は、今月に暗殺現場の中国・ハルピン駅に安重根の記念館が開館したことを触れ、「朝鮮人民ばかりでなく中国人民にも計り知れない不幸を与えた伊藤博文を処断した安重根烈士の壮挙をたたえて記念館を建設したのは極めて正当なことだ」と強調した。
 朝鮮中央放送と平壌放送も同日、同記念館の設置について触れた。北朝鮮のメディアが記念館の開館を報じたのは今回が初めて。
 中国外務省の秦剛報道局長は22日の定例会見で、菅官房長官が安重根を「テロリスト」と呼んだことについて、「安重根は歴史的に著名な抗日義士」とした上で、「安重根がテロリストならば靖国神社に合祀された14人のA級戦犯は何なのか」と反発した。
 韓国外交部は20日に「歴史の良心に目を閉ざす菅官房長官を糾弾する」という報道官名義の論評を出した。
 安重根は日本が韓国を合併した前年の1909年の10月26日にハルビン駅で伊藤博文を暗殺し、その場で逮捕された。翌年2月14日に死刑判決を受け、同3月26日に処刑された。安重根は自らが唱えた「東洋平和思想」で戦争という暴力で覇権を握ろうとした日本の侵略政策を痛烈に批判した。韓国と北朝鮮では、安重根の「義挙」は韓国併合の不当性を証明する事件という認識がある。

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