会見する両国の首脳=(聯合ニュース)
会見する両国の首脳=(聯合ニュース)
【ベルン聨合ニュース】スイスを国賓訪問中の朴槿恵(パク・クンヘ)韓国大統領が20日(現地時間)、ブルカルテル大統領と首脳会談を行い、経済や科学技術、文化、安保などさまざまな分野での両国関係発展に向けた具体策について幅広く意見を交わした。
 韓国大統領のスイス国賓訪問はこれが初めて。青瓦台(大統領府)によると、両大統領は会談の冒頭でそれぞれ、今回の訪問が両国間の友好協力を深める契機になることを希望した。
 朴大統領は「スイスは世界的な基礎科学大国、韓国はITと応用技術が発展した国」と述べ、実質協力関係の発展に期待を示した。科学技術や職業訓練、医薬分野の協力、中小企業育成などの両国協力を通じて韓国が掲げる政策「創造経済」を後押ししていく頼もしい協力パートナーだとした。 
 金融分野については、スイスのプライベートバンキング(個人向け資産運用)分野の世界的な競争力を評価した上で、韓国が金融産業を5大サービス産業の一つとして長期的に育成する計画だと説明し、スイスの金融会社の協力と参加を要請した。これに対しブルカルテル大統領は、協力に向け持続的な協議を希望した。
 また、朴大統領は今回のスイス訪問を機に教育官庁間の職業教育協力に関する覚書が交わされ、民間の精密機械分野で韓国の学生がスイスの企業現場で職業教育を受けることになったことを歓迎した。スイス側も人的支援開発の重要性に賛同し、政府、民間の協力を通じて具体的な事業を発掘しようと応じた。
 今回、両国は社会保障協定も締結したが、朴大統領はこれにより企業と労働者の負担が軽減され両国間の投資が活性化することを期待した。世界的な製薬会社を持つスイスとの医薬分野での協力増進も希望した。
 一方、朴大統領は北朝鮮問題に関し、スイスが北朝鮮の核実験や長距離弾道ミサイル発射などを糾弾し、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁の履行などに積極的に同調した点を評価した。北朝鮮支援の経験が豊富な欧州の非政府組織(NGO)やスイス開発庁と韓国のNGOによる北朝鮮住民の共同支援も検討が可能と話した。
 何より北朝鮮指導部が核を放棄する決断を下すことが重要で、北朝鮮が変化せざるを得ない環境をつくる必要があるとしながら、韓国とスイスの協調を呼びかけた。
 ブルカルテル大統領はこれまでスイスが6カ国協議などを支援してきたように、今後もそうした役割を担う用意があるとし、韓国政府が掲げる朝鮮半島信頼プロセス(対話や人道支援を通じ南北の信頼構築を目指す政策)と北東アジア平和協力構想(非政治的な分野から協力を重ねる新たな枠組み)に対する支持を表明した。
 青瓦台の趙源東(チョ・ウォンドン)経済首席秘書官は「(首脳会談の)経済分野を要約するならば、創造経済において両国は強いパートナー関係にあることを確認した場」と説明した。
 この日の首脳会談を機に、両国は政府・機関間で社会保障協定のほか、11件の覚書(MOU)を締結した。また、企業間で5件・1億7200万ドル(約179億円)相当の部品・素材の調達供給協力事業が決まった。

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