【ソウル聯合ニュース】日本の菅義偉官房長官は20日の会見で、初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した独立運動家、安重根(アン・ジュングン)の記念館が中国黒竜江省のハルビン駅に開設されたことについて、「極めて残念であり、遺憾だ」と批判した。
 安重根については「日本の初代首相を殺害し、死刑判決を受けたテロリストだ」と指摘した。
 一方、外務省の伊原純一アジア大洋州局長は19日に韓国、中国の両駐日公使にそれぞれ電話で抗議した。
 記念館が開設されたのは韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が昨年6月に訪中した際、習近平国家主席に石碑を建てる計画を提案したのがきっかけ。朴大統領からの提案に、中国政府は記念館設立で応えた。
 これらの動きに日本政府は不快感を示してきたが、中国外務省は昨年11月の会見で、「安重根は中国でも尊敬される著名な抗日義士」と評価した。
 記念館は暗殺現場の前にあった駅の貴賓室の一部約200平方メートルを改造してつくられた。内部からはガラス窓を通じて暗殺現場となったプラットホームを見ることができる。安重根の生涯や思想を紹介する資料や写真などが展示され、一部には韓国語の説明がつけられているという。韓国外交部は「歓迎し、高く評価する」としている。
 安重根は1909年10月26日に中国・ハルビン駅で伊藤博文を射殺し、その場で逮捕された。翌年の2月14日に死刑判決を受け、同3月26日に処刑された。

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