【ソウル聯合ニュース】韓国政府が提案した離散家族の再会事業を北朝鮮が拒否したことで、南北関係の回復へ弾みをつけるのは当分難しくなりそうだ。
 北朝鮮は1日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の「新年の辞」を通じ、南北関係の改善に前向きな姿勢を示した。一方、韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は6日の新年会見で、朝鮮戦争で生き別れになった離散家族の再会を手始めに南北関係に新たな対話の枠組みを設けるよう北朝鮮を促し、統一部は同日、離散家族が旧正月(今年は1月31日)ごろ再会できるよう赤十字実務協議の開催を北朝鮮に提案した。
 しかし北朝鮮は9日、定例の韓米合同軍事演習を口実に、旧正月ごろの離散家族再会事業を事実上拒否した。同時に、北朝鮮が望む金剛山観光の再開問題をほのめかしながら、北朝鮮の提案も協議対象になるならば離散家族が「良い季節に向かい合って座ることができるだろう」と述べた。
 北朝鮮が今後も離散家族再会を韓国に対する圧力のカードとして使う意図であることを明確にしたとものと分析される。ただ、韓国政府の提案についても、北朝鮮が改善関係にどれほど本気かを確認するためだったという分析が一部ではあった。
 双方とも関係改善の必要性は認めていながら、改善過程で主導権を握ろうと互いにけん制し合っており、その結果、旧正月の離散家族再会が流れたとの指摘もある。
 来月末から4月末にかけ定例の韓米軍事演習が予定されていることから、関係改善のムードをうかがうのは5月以降になるとの見方が出ている。 
 ただ、相手を厳しく非難する代わりに今後の対話に余地を残したことは注目すべき点とされる。北朝鮮はこの日、今後も関係改善に努めると主張し、韓国政府も北朝鮮の拒否に「遺憾」を表明する程度にとどめた。
 冷却期間が続く中、対話の可能性を慎重に探る方向へ進むことになるとみられている。

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