【ソウル聯合ニュース】韓国の教育部は10日、高校歴史教科書の出版社7社が同部の修正命令を受けて新たに提出した記述を承認したと明らかにした。来年の新学期から使われる全8社の歴史教科書の修正・補完が完了し、日本による植民地時代や北朝鮮関連の記述などをめぐる左派系と保守派の論争は一段落する見通しだ。
 ただ、6社の執筆者は修正命令の取り消しを求める訴訟と効力停止を求める仮処分申し立てを行っており、教育部の修正命令の正当性に関する法的判断は依然、残されている。
 歴史教科書をめぐっては、保守系学者らが執筆した教学社の教科書が8月に検定を通過したが、日本による植民地支配を一部肯定的に記述しているなどとして市民団体などが検定の取り消しを求めた。
 一方、保守派は別の教科書の北朝鮮に関する記述が親北朝鮮的だと指摘し、論争が激化した。教育部は10月18日、出版社8社に829件の修正・補完を勧告し、出版社側は11月1日に修正記述を提出した。同部は修正が不十分だと判断し、11月29日、7社に対し41件の修正命令を出していた。
 今回の修正で、教学社は植民地時代に日本に協力した人物を美化したとの指摘を受けた金性洙(キム・ソンス)氏について、「日本式姓名の強要を拒否し、日本が提案した爵位と貴族院議員職も断った」との記述を削除し、「日本の統治政策にも相当部分協力した」と修正した。「韓日合邦」については、「合邦」は日本の立場が反映された用語との勧告を受け、「韓日合併」に修正した。
 北朝鮮の「主体思想」を北朝鮮の主張通りに記述したとの指摘があった出版社は「反対派を粛正し、北朝鮮住民を統制する手段に利用された」などの説明を加えた。
 ただ、教学社が日本植民地時代に行われたコメの「収奪」を「輸出」とした記述などは修正命令から除外され、「搬出」に自主修正するのにとどまった点などに関しては議論が続きそうだ。
 各高校による教科書選定は30日までに終わり、来年の新学期が始まる3月から使われる。

Copyright 2013(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0