【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮による経済協力事業の開城工業団地が5か月余りの操業停止を経て再び稼動を始めてから、1か月が過ぎた。同団地に入居する韓国企業123社のうち工場を稼動する企業は操業再開初日の90社から現在は118社に増え、北朝鮮の労働者も以前の8割程度の約4万4000人が出勤するなど、状況は改善している。しかし企業側の実情は厳しく、実質的な正常化にはなお難題が山積する。
 入居企業でつくる開城工団企業協会によると、企業関係者は南北当局が合意した通行・通信・通関(3通)問題の改善や共同投資説明会の開催など団地の国際化に大きな期待を寄せるが、南北関係は最近再び冷え込み、企業の経営環境に影を落としている。
 開城工業団地を信頼しきれないバイヤーは警戒ムードを強め、発注にも消極的だ。主に大企業に納品するため安定生産・供給が鍵となる機械・電子部品メーカーはこうした状況に焦り、このほど南北双方に対話再開を求める声明を出した。機械・電子部品分野の45社は現在47%程度の稼動にとどまるとしながら、「開城工業団地が安定した雰囲気へ改善されなければ、正常な受注と経営が難しい」と訴えた。
 繊維・縫製業の72社も、機械・電子ほどではないものの苦境にあるのは同じだ。ある衣料メーカーの代表は「韓国政府は団地の稼働率が70~80%と言うが、企業側の実感としては50%程度。昨日、繊維・縫製業の数社を回ったところ、従業員は全員出勤しているが、工場の機械は半分ほど使われていなかった」と話した。
 また、複数の輸出企業が外国人投資家との合弁投資を検討しているが、南北が31日に共催予定だった投資説明会を延期したことから、投資の可能性は低くなった。
 一方、開城工業団地の一時閉鎖を受け韓国政府から経済協力保険金を受け取った59社は、総額1761億ウォン(約163億6000万円)を直ちに返還することになった。期限の15日までに返還したのは10社、327億ウォン。政府が返還期限の延長を認めなければ、各社は延滞期間に応じ年3~9%の延滞料を支払わなければならない。ある電子メーカーは保険金を銀行融資の返済に充て、あらためて借り入れした状態だった。同社の代表は「仕事をしたいのに注文が増えず、収益も出ない。もどかしい状況」と嘆いた。

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