【ソウル聯合ニュース】韓国のシンクタンク、サムスン経済研究所は31日に公表した報告書で、世界経済の回復が遅れていることから、主要国が自国産業を保護するため競争法や知的財産権、環境規制などを用いた「新保護貿易主義」を導入していると指摘した。
 世界貿易機関(WTO)体制の下では高い関税をかけて外国製品の流入を制限するといったかつての保護貿易手法が使えないため、環境や健康に関する貿易障壁(規制)を設けるなど、各国がWTO規定を迂回(うかい)するさまざまな新保護貿易措置を講じているというわけだ。
 先進国は反ダンピング(外国商品の不当廉売に対する貿易救済措置)や競争法規制、環境規制、知的財産権を、新興国は反ダンピングや自国製品の優遇政策を主な規制の手段として利用している。また、競争法や環境などの分野で先進国が規制を強化すれば、中国などの新興国がこれを模倣し、短期間で全世界に広がる傾向も表れている。
 報告書は、こうした新保護貿易主義の拡散に韓国の政府と企業が一枚岩で対応すべきだと指摘している。
 政府は情報技術協定(ITA)などの多国間協定や韓中自由貿易協定(FTA)などの2国間貿易協定を強化するとともに、国内の法規や政策を見直し主要国との貿易摩擦を未然に防ぐ一方、企業は主要貿易相手国ごとに具体的な戦略や対応体制を整え、リスクを最小化すべきだと強調した。

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