【西安聯合ニュース】中国を国賓訪問中の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は30日、陝西省・西安で韓国企業の視察や史跡訪問などを行い、4日間の訪中日程を終える。習近平国家主席の韓中首脳会談を通じて発表された共同声明をはじめ数々の合意書に署名した朴大統領の今回の訪中は、今後20年の韓中関係の基盤を築き上げたとの評価も出るほど大きな成果を挙げた。
 朴大統領は旧知の仲だった習近平国家主席との首脳会談を通じて両国の「戦略的パートナーシップ関係」の強化を果たしたと評価される。
 また自らが掲げる「朝鮮半島信頼プロセス」(対話や人道支援を通じ南北の信頼構築を目指す政策)や「北東アジア平和協力構想」(非政治的分野から協力を重ねる地域の新たな枠組み)について、中国から支持を得た。行き詰まりをみせていた韓中自由貿易協定(FTA)締結のための交渉についても、両国首脳が高いレベルの包括的FTAを推進するとの原則を再確認するという大きな成果を出した。
 一方で、北朝鮮の核問題については韓国側の期待を下回った。両首脳が発表した共同声明で、中国は北朝鮮核問題で前向きな姿勢を示したものの、「北朝鮮が先に核放棄意志を示すべき」「北朝鮮の核兵器保有を認めない」といった宣言的な文言は盛り込まれなかった。
 ◇際立つ中国のもてなし
 今回、中国は朴大統領に破格的な厚遇を行った。習主席は朴大統領を「老朋友」(昔なじみ)と親しみを込めて呼び、訪問初日の国賓夕食会は人民大会堂中央に位置する壮麗な金色ホールで通常の約倍の150人規模で行われた。さらに両首脳の友好ムードは翌日の昼食会でも続いた。
 今回、朴大統領はこれまでの慣例を破って日本よりも先に中国を訪問した。これによって中国側の期待が高まったとされる。そんななか、旧知の両首脳は率直に話をし、相互信頼を高めていった。
 朴大統領は訪中のスローガンを心と信頼を築く旅程という意味の「心信之旅」としたが、両国間の協力パートナー関係は一層深まったと評価される。
 中国メディアは29日に北京の清華大学で講演した朴大統領について、大学生や国民の熱烈な支持を受けたと報じ、韓中関係の強化の一助になると評した。
 一方、今回の朴大統領の訪中中に、両国は韓中FTA交渉を後押しする政府間の協定1件と機関間の協定7件の計8件について合意書に署名した。また初めて首脳共同声明の履行計画を定めた。
 また両国は首脳間の疎通強化や高官間の対話ルートの多様化などを通じ、政治・安保分野での協力関係を強めることで合意。これまでの経済関係は活発だが、政治での疎通は十分でないという「経熱政冷」から「経熱政熱」に転換したとの評価も出ている。

Copyright 2013(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0