【ソウル聯合ニュース】円安に後押しされ、日本車メーカーが韓国で値引きを相次いで行っている。日産自動車の高級車ブランド「インフィニティ」のほかホンダ、トヨタ自動車が価格を下げて韓国メーカーからのシェア奪取を目指す。
 インフィニティは5日、世界的人気モデルの「G25」の価格を570万ウォン引き下げ3770万ウォン(約336万円)で販売すると明らかにした。期間限定の値下げではなく、小売価格自体を引き下げるという。
 2500cc級のVQ(V型6気筒ガソリン)エンジンを搭載した同車は、最大出力221馬力(6400rpm)、最大トルク25.87kg・m(4800rpm)。今月は事前予約を受け付け、来月から本格的な販売に入る予定だ。
 同社関係者は今回の価格引き下げについて、「昨年、本社を香港に移転しグローバル経営を宣言して以降、韓国で初めてとなる攻撃的なマーケティング。今年下半期に予定している新型スポーツセダン『Q50』の発売に先立つブランド強化策の一環だ」と話す。
 専門家はインフィニティの値下げの背景について、円安の効果が定着してきたことを挙げる。同社は主に日本国内で生産・輸出を手掛けているため円安によって大きな値引きができるという。
 ◇効果てきめん
 ホンダも今月、韓国進出10周年を記念し、値引きによる販促イベントに乗り出した。「アコード」の2400ccモデルを100万ウォン、「クロスツアー」と「アコード」の3500ccモデルをそれぞれ200万ウォン、「シビックタイプRユーロ」を300万ウォン値下げする。
 トヨタも先月から、主力車種の中型セダン「カムリ」(ガソリン車)、「カムリ」のハイブリッド車(HV)、V6エンジン搭載の「カムリ」3500ccの購入者に200万~400万ウォンの支援を行っている。ほかにスポーツ多目的車(SUV)の「ヴェンザ」シリーズとスポーツカー「86」(自動変速機モデル)には700万ウォンの割り引きを実施している。
 値引きの効果もあり、トヨタの先月の韓国販売台数は前年同月比53%増の1316台に達し、2009年10月の韓国進出以来、月間最多を記録した。現代自動車など韓国の主要メーカーが国内販売を減らしているのとは対照的だ。
 自動車業界の関係者は「円安による価格競争力を武器に日本車が攻勢をかけている。しばらくは韓国車と日本車の激しい価格競争が続くだろう」と予想した。

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