【ソウル聯合ニュース】3月1日の3・1節(3・1独立運動記念日)をあすに控え、日本の植民地時代の医療関係者らが朝鮮の植民地化を正当化するため、朝鮮人を血液型で分類する研究に固執していたとの論文が発表された。
 翰林大学日本学研究所のチョン・ジュンヨン教授が大韓医史学会誌最新号に投稿した論文によると、朝鮮人を対象にした初めての血液型分類研究結果は1922年7月の「東京医事新誌」に発表された。
 同研究報告書の著者は京城医学専門学校外科教室の桐原真一教授と弟子の白麟済と記されている。調査対象は朝鮮総督府医院の外来患者と病院職員、京城監獄収監者など日本人502人と朝鮮人1167人。
 同研究チームは報告書で日本人は朝鮮人よりも人種的に優れていると主張した。
 これはドイツ人学者、ヒルシュフェルトが1919年に医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に掲載した「人種別血液の血清学的違い」という調査結果を根拠としている。
 当時、ヒルシュフェルトは進化した民族であるほどB型よりA型が多いと考え「人種係数」という数値をつくった。人種係数は英国人(4.5)、フランス人(3.2)、イタリア人(2.8)、ドイツ人(2.8)、オーストリア人(2.5)の順で高かった。その一方、ベトナム人(0.5)、インド人(0.5)などは低かった。
 ヒルシュフェルトは人種係数が2.0以上を「欧州型」、1.3未満は「アジア・アフリカ型」、アラブ人(1.5)、トルコ人(1.8)、ロシア人(1.3)、ユダヤ人(1.3)など2.0~1.3は「中間型」と分類した。
 桐原教授は報告書でヒルシュフェルトの研究を基に調査した結果、朝鮮に居住する日本人の人種係数は1.78で「中間型」だが、朝鮮人は全羅南道(1.41)を除けば平安北道(0.83)、京畿道(1.00)、忠清北道(1.08)などは「アジア・アフリカ型」に属すると主張した。
 桐原教授は報告書で「朝鮮南部(全羅南道)の事例を見ると日本と朝鮮という二つの民族の間には歴史的、言語的な類似性があるかもしれない」と分析した。
 これについてチョン教授は論文で「朝鮮人は日本人に比べ人種的に劣っていると科学的な主張をしながらも、一方では朝鮮南部地域と日本の間の『日鮮同祖』の可能性を示した点で、当時の植民地史観研究者の歴史認識と重なる部分がある」と分析した。
 植民地時代の朝鮮人に対するこのような血液型調査は、1926年に京城帝国大学医学部が設立されてからさらに活発になり、1934年までの4年間に2万4929人を対象に実施された。同調査の平均人種係数は1.07で、「アジア・アフリカ型」から外れることはなかった。
 京城帝国大学医学部は1934年から5年間に満州や内モンゴル地域で北東アジアの民族を対象に血液型調査を実施し、朝鮮北部と満州、内モンゴル人に「人種的劣等性」が共通して見られるとする結論を出している。
 チョン教授は、この結論を朝鮮人全体としてではなく朝鮮北部と南部という地域に分類することで、朝鮮人という一つの民族を解体する意図があったと指摘する。
 また、桐原教授とともに研究を行った白麟済について、「3・1独立運動を主導したことで知られていた白麟済が朝鮮人の人種的劣等性を追認し、科学的権威に屈服する態度を見せた」と主張した。
 さらに、血液型分類は日本民族の特権を正当化し、植民地支配を進めていく上で必要とされたと指摘。「私たちが何気なく接する血液型の話には植民地的近代につながる知識と権力の系図が潜んでいることに留意する必要がある」と強調した。

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