集団的自衛権とは、米国など同盟国への攻撃を日本への攻撃とみなして反撃する権利。安倍首相は、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にすることを最優先課題として推進しており、来月以降に予定される日米首脳会談で取り上げる方針を示している。
韓国政府は、日本のこうした動きを「右傾化政策」と見なして注目している。特に、集団的自衛権の行使が自衛隊の強化や日本の再軍備につながりかねないことを警戒しているようだ。
自民党が憲法改正や独島領有権の主張、旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた「河野談話」の見直しなど、右寄りの公約を掲げていることも、韓国の懸念を高めている。
韓国政府当局者は15日、米国に対しても、さまざまなルートでこうした懸念を全て伝えていると明らかにした。「米国からすると心配しすぎのように思えるかもしれないが、(日本の植民地支配で)被害を受けた経験を持つ韓国は認識が異なり得る」と話している。
米国は日本の集団的自衛権行使について、肯定的な姿勢を示しているという。ある外交筋は「米国は歴史問題と集団的自衛権を切り離して考えているようだ。特に、米国は防衛費の分担といった現実的な理由で、軍事力を普通の国並みにするという日本の動きを右傾化と見なさない傾向がある」と説明した。
また、中国をけん制するための「アジア回帰戦略」を進める上で日本との軍事協力の強化が欠かせないことも、米国が集団的自衛権の行使を容認する理由とみられている。
こうしたことから、韓国政府の一角では、日本の集団的自衛権をめぐる問題で韓米間に摩擦が生じかねないとの見方が出ている。政府筋は「日本の動きがまだ具体化していないため、今のところ韓米の間で問題にはなっていないが、将来的に韓米がこの問題でぶつかる可能性は捨てきれない」と語った。一方、政府当局者は「米国もこの問題に対する(韓国)国内の世論を知っているため、韓米で争点にならないよう管理していくだろう」と話している。
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