【ソウル聯合ニュース】国際貿易研究院が3日にまとめた昨年1~10月の韓国の造船輸出額は335億ドル(約2兆9215億円)となり、前年同期比で28.2%減少した。造船の輸出がマイナスとなるのはアジア通貨危機の影響で前年比6%減少した1999年以来。欧州の債務危機や世界的な貿易の縮小が直撃した形だ。
 造船は2011年の韓国輸出額で最も高い割合を占めた主要輸出品。2007年には55.4%成長するなど、2011年まで好業績を維持していた。
 一方で、中国の造船業は急成長した。中国の昨年1~10月の造船輸出は336億ドルとなり、世界1位に浮上した。11~12月の輸出額が集計されていないものの、中国が初めて世界最大の造船輸出国に躍り出る可能性が高い。
 昨年は世界造船受注量の8割以上占める韓国と中国、日本の造船産業が軒並み不振に陥った。ただ、韓国の輸出が約30%減少したのに対し、中国は5.9%減少にとどまった。日本は8.3%減った。
 受注量シェアは韓国が優位だが、安心はできない。昨年1~9月の中国の受注量シェアは34.7%となり、前年同期比で2.3ポイント上昇したが、韓国は36.3%と5.1ポイント下落した。両国の受注量シェアは1.6ポイント差に縮まっている。
 韓国の造船輸出が急減したのは不況に直面している欧州への依存度が高いためとみられる。昨年1~11月に欧州への輸出が全体に占める割合は29.6%と、中国(14.4%)、日本(13.2%)を大きく上回っている。
 韓国造船産業の不振について、国際貿易研究院のチョ・サンヒョン研究委員は「韓国の造船会社は2008年の世界金融危機以降に受注した船舶を昨年、本格的に引き渡し始めた。受注が急減した当時、低価格で契約を結んだため、輸出額が急減した」と説明する。
 だが、主要輸出船舶が商船から高価格のドリルシップなど特殊船や海洋プラントにシフトしているため、今年は最悪の不振から抜け出す可能性がある。同研究委員は「今年の受注量や建造量、手持ち工事量など造船関連の指標は大きく回復しないものの、4%前後の輸出増加率を記録する見通しだ」と見込んだ。
 一部の専門家は中国の造船輸出が韓国を上回る可能性は大きくないとの見方を示している。大信証券のチョン・ジェチョン研究員は「中国は人件費の上昇が速く、人民元切り上げの速度がウォンより速い。中国と韓国の造船産業は競争関係を維持しながらも韓国が優位に立つ構図になる」と予想した。

Copyright 2013(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0