【ソウル聯合ニュース】韓国でスマートフォン(多機能携帯電話)が急速に普及し、パソコンよりもモバイル機器でインターネットに接続するケースが増えている。それに伴いゲームや広告業界などでモバイル事業に比重を置く動きが加速している。
 韓国ではスマートフォン加入者数が昨年8月に3000万人を突破した。第3世代(3G)に比べ、速度が速い高速無線通信「LTE」加入者も1000万人を超えている。
◇モバイル広告市場は2年で100倍に
 金融投資業界によると2010年に19億ウォン(1億4380万円)に過ぎなかったモバイル広告市場は、昨年672億ウォンに成長し今年は2040億ウォンに上る見込みだ。この2年で107倍に拡大したことになる。
 パソコンインターネット広告市場は2010年の1兆7019億ウォンから昨年2兆1356億ウォン、今年は2兆3042億ウォンに増加し、2年で35.4%の成長となる見通しだ。今年はロンドン五輪と4月の総選挙で特需があったものの、景気低迷で前年比7.9%の成長にとどまるとみられる。
 パソコンインターネット広告に比べモバイルインターネット広告の比重も2010年0.1%にすぎなかったが、昨年は3.1%、今年は8.9%に達する見込みだ。
 ポータルサイト大手・ネイバーとDAUM(ダウム)の広告売り上げにも大きく影響を及ぼしている。
 検索広告などでモバイル広告市場に力を入れているネイバーは、今年の広告売り上げが前年比12.7%増となる見込みだが、DAUMは2.8%の増加にとどまる見通し。
 証券会社アナリストは「モバイル広告市場が検索広告を中心に成長しているためネイバーとDAUMの広告売り上げに大きな差が出た。現在はパソコンインターネット広告に比べ8.9%の規模に過ぎないが、3年後には20%まで拡大するだろう」と予想した。
◇ゲームもモバイルへシフト
 モバイルゲームも既存のパソコンインターネットを通じたゲーム市場に挑戦している。
 昨年7月末、無料通話・メッセンジャーアプリケーション「カカオトーク」がゲームの運営を開始し、韓国のモバイル市場は急成長した。
 これまで国内売り上げトップだったモバイルゲーム「ルール・ザ・スカイ」の1日平均売上高は1億ウォン前後にすぎなかったが、カカオトークが提供するモバイルゲーム「ドラゴンフライト」は10億~15億ウォンと10倍以上に上る。
 カカオトークのモバイルゲーム急成長は、友達情報をもとに多彩で簡単に楽しめるゲームを提供し、ゲーム人口が40~60歳代にまで拡大しているためとみられる。
 モバイルゲームの人気が後押しし、モバイルゲーム市場は2010年の3110億ウォンから今年7814億ウォンと2倍以上に膨らむ見通しだ。
 ネットサービス大手のNHNも年末に無料通話アプリケーション「LINE(ライン)」を通じたゲーム運営を開始し、日本のモバイルゲーム市場を本格的に攻略するなど、モバイル事業に注力している。
 アナリストは「スマートフォン加入者の急増によってモバイルゲーム市場に有利な環境に変化している。保守的に見てもモバイルゲーム市場は今後、毎年20%ずつの高成長となる」と見通した。

Copyright 2012(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0