【ソウル聯合ニュース】韓国大統領選が約1か月後に迫った。
 現政権で与野党は古い派閥政治など旧態依然とした政治を繰り返し、国民を失望させた。新しい政治への国民の強い熱望を象徴する「安哲秀(アン・チョルス、無所属)現象」にはこうした背景がある。今回の大統領選は政権交代などではなく、新しい政治の枠組みを構築できるかどうかに関心が集まっている。
 大統領選への出馬を表明している与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)氏と最大野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)氏、安氏の3人は政治刷新と経済民主化などによる政治改革や新しい政治を掲げ、支持を訴えている。しかし、3人が発表した政策は似たり寄ったりのものが多く、世論の視線は文氏と安氏の候補一本化に向かっている。今月26日の候補者登録前を期限とした両氏の一本化は2002年大統領選の野党系候補だった盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏と鄭夢準(チョン・モンジュン)氏の候補一本化に並ぶ大きな影響力を持つとされる。当時は一本化候補となった盧氏が与党候補を制し、勝利した。
 候補一本化交渉で両陣営の衝突が激化する場合、野党系支持層の失望を招き、一本化の影響力が弱まる可能性もある。支持層の共感を得られる一本化が勝敗の鍵を握っている。
 候補一本化が実現すれば、選挙構図は三つどもえから一騎打ちに一変する。各種の世論調査で、朴氏と文氏、朴氏と安氏の一騎打ちは接戦となっている。
 朴氏は当初、「国民大統合」や「経済民主化」を掲げて選挙戦に臨んだが、最近は伝統的な支持層の保守系に支持を訴える方向に転換した。野党系候補の一本化に対抗するためとみられる。ただ、中道派などからの支持は得られず、党内でも反発の声が出ている。
 保守系と革新系の戦いが予想されるなか、選挙は投票率や釜山・慶尚南道、40代有権者、中道層、首都圏からの得票率、テレビ討論などが勝敗を分けるとされる。
 専門家らは投票率が70%を超える場合、野党系候補に有利になると分析している。70%は2002年の大統領選の投票率だ。盧氏の得票率は48.9%だった。投票率が60%台でとどまる場合は朴氏が有利になるとされる。
 釜山・慶尚南道地域の世論も関心を集める。セヌリ党が強い地盤を持つ同地域は新空港建設の白紙化に加え、文氏と安氏が釜山出身であることから、支持層の離脱が予想される。釜山の世論調査で文氏と安氏の支持率の合計は約40%となっている。前回の大統領選で与党候補の支持率が80%に肉薄したことに比べると、大きな変化がある。
 候補者登録から計30回放映できるテレビ広告も注目される。2002年の大統領選では盧氏のテレビ広告が有権者に強烈なインパクトを与え、勝利に貢献したとされる。テレビ討論会は12月4日と10日、16日に行われ、候補者の「実力」を確かめられる機会になりそうだ。

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