【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の体制を非難するビラを北朝鮮に向け散布してきた韓国の北朝鮮脱出住民(脱北者)団体が、韓国大統領選を考慮し年末まではビラ散布を控える方針を固めた。
 脱北者団体「自由北韓運動連合」の朴相学(パク・サンハク)代表が15日、聯合ニュースの電話取材に対し、「大統領選の投票日(12月19日)まで、公開的に北朝鮮体制批判のビラをまかない」と話した。これまでも12月から2月までは風向きが適していないため、ビラ散布をほとんどしていなかったという。また、与党セヌリ党の関係者から電話で、「ビラ散布は北朝鮮が大統領選に介入する口実になりかねない。ビラ散布を自制してほしい」と要請されたことも明らかにした。
 同団体は昨年、北朝鮮による延坪島砲撃から1年となる11月23日にビラをまいている。朴代表は「今年も行いたいが、風向きが良くない。風向きが合うなら23日前後に非公開で行う」と話した。
 自由北韓運動連合が所属する脱北者団体の連合組織、北韓民主化推進連合会の金聖ミン(キム・ソンミン)常任代表も、連合会としてのビラ散布は来年の故金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日になるとした。
 これら団体側は、ビラ散布の一時中断を風向きの問題とする。しかし先月、南北境界線に近い臨津閣(京畿道・坡州)から散布しようとして、北朝鮮が警告を発し、韓国の軍と警察が道路を封鎖するなど、問題が広がったことを踏まえた判断とみられる。

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