【ソウル聯合ニュース】韓国で来月1日から、小額・小規模の協同組合の設立が可能になる。経済民主化時代の新たな企業システムとして、雇用創出や企業共生の環境づくりにつながるか、先行きが注目される。
 協同組合の設立と運営策を盛り込んだ協同組合基本法は、来月1日に発効する。現在は特別法に基づき、農業協同組合(農協)と水産業協同組合(水協)、消費者生活協同組合などが存在するが、今後は金融業以外の全分野で法人格を持つ協同組合を設立できるようになる。
 協同組合は5人以上の組合員が集まれば小額・小規模で創業できる。商法上の営利法人と民法上の非営利法人の中間の形態で、共同所有と民主的な運営が特徴。人が中心で、公益性が強い組織とされる。独占・寡占など資本主義経済の弱点を補完し、社会的弱者層に雇用創出と社会サービスを提供するなど福祉システムを強化することも利点に挙げられる。
 基本法では、営利追求型の「協同組合」と、地域社会や弱者層向けの公益事業も担う「社会的協同組合」に分けられる。企画財政部など関係官庁・機関によると、来月1日から各市・道は一般協同組合の設立届けを、関係官庁では社会的協同組合の認可申請を受け付ける。
 特に生産者による協同組合の場合、組合員数がそのまま雇用規模となるため、雇用創出に役立つとの期待が大きい。
 12月の韓国大統領選に出馬する候補らも、経済民主化の一環で、協同組合の育成を公約として具体化し始めた。民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補は、全体をともに成長させ雇用を創出するという戦略で、中小企業の育成と、地元企業や協同組合、社会的企業への支援を掲げている。
 無所属の安哲秀(アン・チョルス)候補は、自営業者や社会的企業、協同組合、中小企業、大企業が共生する環境づくりに取り組むことを約束した。協同組合向けの専門金融機関をもうけ、政府調達でも優先的に購入するという。
 政府は、協同組合が株式会社と対等に競争できるよう、制度補完に注力する。文化や自然など各地域社会の固有の資源を基に事業を行う企業や、伝統市場などの小規模事業者を対象にした協同組合の設立を誘導する方針だ。協同組合を社会的企業の認証対象に追加し、これを中小企業に含め、同業種の小売店が組合を作り共同調達・販売を行えるよう、流通産業発展法も改正する。
 ただ、財政支出拡大の要因になりかねないため、直接の財政支援は行う予定はない。教育・訓練や会計システムなど、間接支援に重点を置く方針を固めた。

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