【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比0.2%増にとどまり、マイナス成長を懸念する声が高まっている。1~3月期は同0.9%増、4~6月期は同0.3%増だった。世界的な景気鈍化で貿易が急減し、韓国経済を支える輸出や生産が打撃を受けるなど、経済活力が大きく弱まっている。
 国内外の調査機関は、10~12月期か来年1~3月期の韓国経済成長率がマイナスになるとの悲観的な見方を示している。
 全国経済人連合会のペ・サングン経済本部長は7~9月期に底を打つという見通しについて、「期待できる環境ではない」と指摘。「10~12月期に横ばいになる可能性はあるが、来年1~3月期はマイナス成長を排除できない」と説明した。
 韓国開発研究院(KDI)のイ・ジェジュン動向展望チーム長は「10~12月期は7~9月期より改善するとみられるが、海外環境が悪化しないことを前提にしなければならない」と見込んだ。
 7~9月期の成長率が低いため、10~12月期には多少改善する余地はあるものの、世界景気の鈍化による低成長は続くとの分析が優勢となっている。
 問題は実物経済の冷え込み。世界貿易機関(WTO)によると、世界貿易(名目ベース)の増加率は2009年以降回復し、2010年は22.1%、昨年は19.7%だったが、今年上半期(1~6月)は1.7%と急激に落ち込んだ。世界の産業生産増加率も昨年の5.4%から今年1~7月は3.9%となった。
 貿易と生産の減少は韓国景気の鈍化につながっている。需要減少で輸出が減り、貿易の不振は海運、造船、鉄鋼などに打撃を与える。韓国統計庁によると、製造業の生産は2010年は16.8%、昨年は7.0%それぞれ増えたが、今年1~8月は2.2%減った。

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