【モスクワ聯合ニュース】ロシア漁業庁のクライニー長官は17日の記者会見で、韓国と日本がロシアの排他的経済水域(EEZ)で密漁したカニを輸入していることを批判し、「日本と韓国が密漁を黙認し続ける場合、ロシアのEEZで操業できる漁業枠を与えない権利を持っている」と警告した。事実上、漁業枠割り当てを取り消す考えを示したものとみられる。
 ◇韓国と日本への漁業枠取り消しも
 同長官はロシアが継続的に異議を申し立てたが、密漁問題が根絶できず、こうした措置を検討することになったと説明した。日本に対しては、先月ウラジオストクで開催された日ロ首脳会談で、カニの密漁・密輸対策に関する協定を履行していないと不満を漏らした。協定は12月に発効するが、「発効前でも(操業の)秩序を確立することを求める」と述べた。
 同長官によると、密漁されたカニは毎月300~600トンが日本の港に持ち込まれ、韓国に輸出されている。カニはカンボジアなどの漁船が密漁したものという。日本当局は密輸されたカニを取り締まる十分な手段を持っているが、対策を講じていないと指摘した。
 ◇韓国に日本経由のカニ輸入停止要求
 漁業庁の広報室長は聯合ニュースの取材に対し、「不法操業問題で最も大きな責任は日本にあるが、カニは韓国の釜山港や東海港に運び込まれている」と指摘し、輸入しないよう求めた。
 モスクワの韓国水産業関係者によると、ロシア側は韓国に対し、日本を経由して運び込まれるロシア産のカニはロシア漁業庁が発行した原産地証明書がない場合は輸入しないことを要求している。だが、韓国当局は通常の輸入手続き上、日本側にロシアの原産地証明書を要求するのは難しいとして、難色を示している。
 駐ロシア韓国大使館関係者はロシアの警告について、「カニの密猟問題はロシアと日本が解決する問題で、輸入者の韓国が関与する問題ではないことをロシア当局に伝えているが、ロシア側は韓国の輸入統制強化を要求している」と説明した。
 ◇懸念される水産物価格の高騰
 ロシアが漁業枠を与えない場合、スケトウダラやイカなど大量のロシア産の水産物を輸入している韓国は大きな打撃を受けるとみられる。
 韓国は毎年ロシアと交渉を行い、操業枠を与えられ、一定の入漁料を払いオホーツク海で操業している。今年はロシアからスケトウダラ4万トン、イカ8000トン、サンマ7500トン、タラ4450トンなど、計6万2000トンの枠を与えられた。
 韓国とロシアは11月中旬、来年の漁業枠交渉を行う。現時点では交渉は難航すると予想される。交渉が決裂すると、水産物の価格が高騰する可能性が高い。

Copyright 2012(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0